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BACK TO BASIC 原点に還る

私の履歴書
Feb 22,2017

皆さんは、今本屋に並んでいるポパイ最新号、読みましたか?

特集のタイトルは「二十歳の時、何をしていたか?」です。

個人的には、かなり興味深いので買って読んでみました。

20歳の時に描いたバンドメンバーの絵。上半分は未完成のまま。
有名人33人がそれぞれ、20歳の時のエピソードを紹介しています。
なぜ個人的に興味深かったのか?
それは33人の中に、自分の友人が3人含まれていたからです。
しかも、そのうち2人は20歳の時、かなり頻繁に会っていた2人。
自分と一緒に過ごした20歳、同じ空気を吸っていた彼らが何を感じていたのか、読むのはとても興味深い。

33人に共通するのは、20歳の時の経験が、今ここにいる原点となっているという点。
そしてどのエピソードにも、必ず如何に自分が小さい存在だったか、社会を知らない標準以下の人間だったか、自分の未熟さを自覚するくだりが出てきます。
はっきりは書いていないけど、ちっぽけな自分の存在を認めてから、はじめて本当のスタートが切れるという内容。
自分の未熟さを認められない人はいつまでもスタートが切れない、年齢を重ねてもずっと同じレベルだということを言っているように思います。
なかなか興味深いポパイの最新号
共通しているのは、初期衝動の継続が今の自分を形成しているという点
自分は20歳の時、どうだったかなあ。
今の仕事につながる発芽があっただろうか?
皆さんは20歳のとき、何をしていましたか?
僕も20歳の時を思い出してみました。
これが20歳のときのワタクシ 笑。前列右がリリー・フランキー
チネチッタ川崎でのライブの模様
ポパイに出てくる友人の3人は、カメラマンの平野太呂、同じくカメラマンの大森克己、そしてリリー・フランキーです。
平野くんは後輩なので歳が離れているけど、大森克己とリリー・フランキーは、年齢が同じだったこともあってよく遊んでました。
特にリリー・フランキーとは、20歳の時一緒にバンドをやっていたせいで、毎日のように顔を合わせる相当に近い関係でした。
だから20歳の時、毎日のように会っていた彼のエピソードは、どんなもんか読みたかったのですが、読んでみたらあまり20歳の時のことには触れていなかった。
公共料金を払わなかったせいで、電気もガスも水道も止まり、ウンコをするにも中野サンプラザのトイレを借りに行っていたと書いてあったけど、それは彼が大学を卒業したあとの20代後半の頃。
20歳の時は、お互い大学2年生で、彼が極貧生活に入る前です。
学校では勉強もせずバンドの練習を、そして都内のあちこちのライブハウスで演奏をして、夜は毎晩国分寺で遊んでいました。
ただただ楽しかった毎日。
コレ20歳のとき、立川の駅ビルの屋上で撮影したんだよなぁ。
それから18年後、バンド最後のライブは38歳のとき
当時の自分は、音楽、アートをはじめ、カルチャーが大好きで、ただただ純粋にその情報を追い求めていたと思います。
それ以外のことは何も知らない、よい意味でも悪い意味でも純粋だった。
如何に自分がイカレポンチで、中途半端で何もできない人間であるかに気付き、深く考えるようになるのは、社会に出たあとの20代後半。
大学を卒業して社会に出たら、自分の知らないことばかり、驚きの連続で、20代後半までは、それを学ぶのに精一杯でした。
しかし気付けば、そこにどうしても迎合できない自分がいて、それなのに偉そうな(というか、それに対して批判的な)ことばかり言っている自分に気づくのです。
いったい自分は何なのだ? 本当に悩みました。
当時付き合っていた彼女にも、この悩みを数回話しましたが、まったく理解できないみたいで相手にされず、それから話すのをやめました 笑
28、9歳は自分にとって暗黒期だったと思います。
最初の絵は結構大きなキャンバスに描いてるんですよ
少し前に、このブログで自分の興味が20代の頃に戻っていく話をしました。
また受験という経験を通して、目的達成のスキルを磨く訓練は人生において必要だという話をしましたが、ポパイの特集はそれらにもリンクする、今の自分の気持ちにジャストな特集ですね。
自分にとって20歳という年齢は、社会のことも、自分のことも、何も知らずに好きなことだけをしていた年齢、夜明け前の印象です。
自分にとって成人は20歳ではなく、30歳だったように思います。
悩んで悩んで、その中でどうにか自分で切り開こうという意思が生まれたのが30歳でした。
そこから人生は動き始めた。

20歳の時自分がしていたことと、今の自分がしていることは、直接関係はないようにも思います。
あるとすれば、20歳の時に追い求めたカルチャーへの情熱が、今でも仕事のベースになっていることでしょうか。
今でもカルチャーに触れることが好きだし、それ知ることが仕事へのモチベーションになっています。
身の回りに刺激を受けるカルチャーがなければ、自分の人生はつまらないものになっていたことでしょう。
皆さんは20歳の頃、どんなことをしていましたか?
ポパイを読んで、自分のことを思い出してみてください。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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