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低迷するファッションで見つけたもの 1

ファッション
Jan 23,2017

今回もまったく共感できない内容を書いてます・・笑

ほとんどの人はなんのこっちゃわからないと思いますが、お付き合いいただければと。

新しいカルチャーとの出会いは楽しいものです。

自分が今まで触れたことのなかった新しいものとの出会い。

アート、音楽、ファッション、映画、デザイン、それらは日々の生活を楽しくしてくれる。

シャカ・メイドーとサム・ランバードの2人からなるArt Comes First
でもそうした機会は、頻繁に訪れるわけではないですよね。
大人になればなるほど、そのサイクルはどんどん長くなる。
色々なものを見ても、あまりワクワクしなくなってしまうのです。
特にファッションにおいては、その傾向は著しいでしょう。
ファストファッションの登場によって今までの価値観は一変し、あれだけみんなの憧れとして君臨したハイブランドにも魅力がなくなってしまいました。
かといって、低価格のファストファッションを買う気にもならない。
ブランドや服などの物的な所有欲はどんどん低下し、人々の興味&投資対象は食のジャンルへとシフトしていると思います。
そんな中で、身なりにまだ気を使っている(まだね!)同じ年くらいの人で、ファッションにある程度投資できる経済的余裕がある人たちは、こぞって全員イタリアに、特に南イタリアに興味が行ってしまって、そこから1ミリも動かない 笑
ほぼ全員が同じ方向を向いて、同じカテゴリーの商品を欲しているのです。
流行と言ってしまえばそれまでですが、それだけではないように思います。
スタイルとは決してお金ではないはずですが、ブランド信仰が消え去った今でも、世の中で認知されているカテゴリーに投資していれば安心という信仰があるように見えます。
だからある程度の社会的ポジションに位置していて、ある程度の経済力を持った人たちは、同じ指向性で括られた同じようなテイストの中で選ぶ=同じような格好になるのだと思います。
そのジャンルが、圧倒的にイタリアクラシコなのではないでしょうか。
いくら世の中で良いと認知されても(たとえば去年一部の人が熱狂したHYKEとアディダスのコラボ商品がよいと言われても)、社会的なポジションを降りてマイノリティに同化するような、スタイリストのようなストリートな格好は絶対にしないのです。
スペンサーハートのテーラードスーツ+素足にLoakeのタッセル!(右)
僕はどこかの特定なグループに所属するのが、昔からどうしてもできない性格で、、、
とはいえ、1つのテイストで全部揃えないまでも、感性に合えばイタリアものも(英国も)取り入れてきました。
しかし、前述のグループのメンバーではない僕は、どこへ行ってもそんなに欲しいものがないという状況がここ数年続いていたのです。
そんな中で、いま10年ぶりくらいにマイブームが訪れています。
イタリアクラシコを蹴散らす、何年ぶりかの新しいブームです(極めて個人的な!)。
始まりはGQで2年くらい前に見たART COMES FIRSTの写真でした。
ART COMES FIRSTとは、シャカ・メイドーとサム・ランバードの2人が、2013年にロンドンでスタートさせたブランド。
見た時、こいつらカッコいい!と。
彼らのスタイルは、一言で言うとテイラードにパンクをミックスした極めてロンドンらしいスタイル。
80年代のリバイバルの兆しがそこからも見て取れました。
こちらもスーツにドクターマーチンとLoake。お手本です。
クラシックを追って、ロンドンやナポリのスーツを勉強し、毎日スーツを着ていたのですが、だんだんそれにも飽き始めていた頃です。
その理由は何か?自分なりに分析すると、辿り着くゴールがコンサバすぎるからだと思います。
色々なものを見て、経験してきて、最後に辿り着くゴールがコンサバなのか?という疑問。
さらに、それが経済的な背景がないと最終的に辿り着けないゴールだとしたら、ホントにつまらないと思うのです。
色々経験して辿り着く”上がり”のゴールが、決まった1つのテイストだけというのが。
それに自分は大企業の重役でも金融業でもないのだから、コンサバである必要はないのです。
しかしながら、紳士服には必ずこの”上がり”の呪縛 = ○○でなければならないというルールが付きまとうのです。

それを自分で壊すのは快感です。
呪縛から解かれて自由になれたような気分、それは5年に1度くらい?いや10年に1度くらいじゃないでしょうか。
でも、その気分を味わえる期間はすごく短かったりしますけど・・・汗
Art Comes Firstの出現は、時代とドンピシャの新しさを感じました
もしかしたら、自分が今まで着たこともなかったライダースを買ったのも、自分がスーツやクラシコとは逆の方へ向かう暗示だったのかもしれないなぁ。
20代の頃の自分にフィードバックしていくのではないかという予感がありました。
このまったくみんなの共感が得られないであろうネタで、続く記事をあと2つも書いてしまいました・・・笑
次回へ続く

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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