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クラシックとストリートの出会い 上出長右衛門の湯呑

ライフスタイル
Apr 10,2018

日々の生活の中で、自分のお気に入りのプロダクトを使うのは気持ちのよいものです。

特に毎日何気なく使うものには、こだわりたい。

スペシャルな時に使うものだからこだわるのではなく、毎日使うものほどこだわりたいですね。

一見よくある普通の湯呑に見えますが。。。
先日、素敵な湯呑を見つけました。
湯呑っていうジャンルは、日本のクラシックなデザインが多く、長い間ずっと変わらない。
子供の時からほとんど変わってないと思います。
白磁の陶器に藍色で、古くから継承されている伝統の絵柄、文様をあしらったものが多いです。
宿泊する旅館の部屋に入ったら、必ず最初に目に入ってくるテーブルに置いてあるアレですね。
そんな旅館も今は減ってるのかもしれませんけど。
包装紙や木箱は定番のクラシック。
開けると、白磁に藍色が美しい湯呑が。
今回購入したのは九谷焼の湯呑です。
九谷焼は石川県を代表する伝統工芸。
1655年に雪深い山村である久谷村で誕生しますが、久谷村はダム建設で現在はもう存在しません。
一時途絶えてしまいますが、江戸末期から明治にかけて再び最盛を迎えます。
そんな中で、上出長右衛門窯も明治12年、石川県能美郡寺井村にて創業。
以来130年間、伝統を守りながら、手仕事の伝統を現代まで守り続けてきました。
彩鮮やかな上絵付けと深い発色の染付け、そして丈夫で美しい生地が特徴とのこと。
昭和天皇が石川県を訪問した際には、陶器の制作も行ったという実績もあります。
あれ?よく見ると絵柄がなんだか
自分はドラマーなんでこれでお茶を。。
一見普通のクラシックな湯呑ですが、よく見ると描かれた絵柄が面白い。
古くから続く伝統的な技法を使いながら、そこにストリートのモチーフを取り入れている。
この感性、誰が考えたんでしょうね。
長右衛門窯の会社にサブカルの若者が一人いるとか?
たぶん違いますよねww。
古いものに新しい要素をプラスするというのは、湯呑に限らず、よくある手法です。
でも単に現代的なモチーフというだけではなくて、かなりサブカルに寄せて攻めてきてますよね。
ファッションフィルターを通した視点というか、ストリートなモチーフを取り入れているのがとても気に入りました。
こういうセンスに響く人がどれだけいるのかはナゾですがw
自分の一番のお気に入りはラジカセです!
ラジカセとドラムを買いましたけど、他にも色々なモチーフがあります。
ギター、ベース、サックスなどの楽器シリーズに始まり、DJ、スケートボードなどストリートカルチャーまで。
ちょっと揃えたくなります。
伝統的な古来の技法で書かれたスケボーの湯呑なんて笑っちゃうでしょ?
ラジカセって、サブカル方面の人しか使ってないし、ほとんどの家にないですから。
木箱に入って、きちんとクラシックのボキャブラリを守っているのもよろしい。
真面目にふざけているこういう洒脱なセンスが好きです。

大切な人への贈り物に、そして日常的に自分で使う用に。
でもこのウィットがわからない人に送っても、まったくスルーだと思いますから、よく考えて贈ってくださいねww
ヒネってあるのに伝統的な湯呑はオススメです。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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