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ロンドンからライフスタイルショップが上陸

ライフスタイル
May 24,2017

前回のヨーロッパ旅行から2年が経ちます。

ロンドンの友人たちに会い、パリを訪れ、テロにビビりながらも街を探索してよい思い出ができました。

海外旅行の楽しさは、日本にはない新しいモノとの出会い、発見にあります。

今日はそれに関連するお話です。

イーストロンドンにあるLabour and Wait。緑色の煉瓦がキレイ。
20代前半でヨーロッパを初めて訪れて以来、ヨーロッパが好きになりました。
特にロンドンには今まで10回以上行っていますが、訪れる度に何でもない街並にも、何気なく入った店にも、日本にはない雰囲気を感じて、毎回新鮮な気分になります。
新しいカルチャーとの出会いから、多くの刺激を受けてきました。

でも前々回の3年前、いやその前の5年前くらいかな、旅行の度にちょっと別の側面も感じています。
仕事柄、どうしても供給側が行っている消費の企みを見てしまうのですが、その魅力が落ちているのではないかと感じるようになりました。
ファッションの魅力が低下し、食へシフトしているのはヨーロッパでも同じだと思います。
でも見るものすべてがオシャレで、何を見てもワクワクしたあの頃とは違うなあと。
パリのサントノレにあるコレットが特別オシャレだとは感じないし、メルシーへ行ってもワクワクしなくなってしまったのです。
そしてそれらの店には、必ず日本製のプロダクツが多く置かれていることにばかりに目が行ってしまう。
ロンドンでもこの状況は同じでした。
サントノレ地区にあるセレクトショップcolette
もちろんヨーロッパには長い歴史と魅力があります。
街や人、芸術、カルチャーは非常に魅力的。
でも、消費マーケットに対する戦略という点では、日本と変わらないレベル、いや日本の方が優れていると感じます。
日本のライフスタイルショップにあるような切れのある編集感は、ヨーロッパのショップからはあまり感じられません。
デザイン、プロダクト、インテリアなど総合的には、日本のショップの方が魅力的なのです。
優れた編集視点を持ち、消費動向が変われば、それに合わせてチューニングしていく消費戦略を立てるのは、日本人の方が長けていると感じますね。
デルフォニックスはルーブル美術館に、1DKも同じくパリに、インテリアのTIME&STYLEはアムステルダムに、そしてトゥモローランドはニューヨークのSOHOに、日本から海外へ出店する企業が増えています。
ヨーロッパでのラーメンブームもそうですね。
日本企業が海外進出する準備は整った、そう感じます。
いまヨーロッパにMade in Japanのセレクトショップを作ったら、絶対に成功すると思います。
誰かやらないのかな。
子供服Bonpointの創業者夫婦が始めたマレ地区にあるMerci
地下にレストランもあるけど、1階のカフェがお洒落。
ヨーロッパから日本へ上陸する店も、以前よりすっかり少なくなってしまったのはそのせいでしょうか。
アメリカからは多少ありますが。
さてそんな中、ロンドンから話題のショップが日本初上陸です。
「LABOUR AND WAIT(レイバー・アンド・ウェイト)」
ショーディッチにある日用品をメインに販売するライフスタイルショップ。
前回の旅行で、ショーディッチを歩いている時に大雨に降られて、このお店で雨宿りさせてもらった経験があります。
小さいけれど、センスのよいお店。
ショーディッチは、ロンドンの東地区にあるエリアで、以前は非常に治安が悪かった場所ですが、再開発により若者が集まるトレンドスポットに生まれ変わりました。
ポートランド発のACEホテルがあったり、日本のエビスジーンズの店があったり、小さいけどセンスのある店が集まる裏原みたいな場所。
もちろんPOSHな人は1人もいません。
昔のカムデンロックみたいな感じでしょうか。
ショーディッチのブームは終わってしまって、熱いスポットはロンドンの南地区に既に移ったとも聞きますが。
2号店は千駄ヶ谷のトートバッグで有名なテンベアのすぐ近く。
味のある古いマンション1階角にあります。
ロンドンにある本店の店内も結構狭いです。
パッケージなどの本店のツールデザインは参考になりますね。
世界で2店目となる「LABOUR AND WAIT(レイバー・アンド・ウェイト)」は、渋谷の千駄ヶ谷に今年の2月にオープンしました。
日本ではビショップが運用していますが、少々男っぽいロンドンのお店と違って、日本のマーケットを考慮してなのか、女子寄りに文房具などの割合を増やしています。

こだわりの日用品を扱う小さな店は魅力的で、ロンドンのお店同様に僕も好きですが、これで売れるのかなあという気も若干・・・
ターゲットはインテリアにこだわる意識高い系の人、ということになるのでしょうけれど、決して安くはないし、このレベルのインテリアオタクが23区にどのくらいいるのかナゾではあります。
でも儲からなくてもいいから、続けて欲しいお店ですね。
こういうお店がなくなってしまって、みんなインテリア買うならイケアかニトリ、ちょっとヒネって無印ってことだと、スタイルがなくなって世の中のバランスがおかしくなっちゃいますから。
こういうお店が長く存在して欲しいです。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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