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美しいドリス・ヴァン・ノッテンのカタログ

仕事
Feb 20,2018

この仕事をするようになってから、自分にはある習慣ができました。

いや、この仕事をする前からかな?

日常で、自分の琴線に引っかかったものはとりあえず保存するという習慣です。

雑誌はもちろんですが、ブランドのシーズンカタログ、チラシ、招待状、フリーペーパー、カレンダー、カード、一貫性はまったくないですが、自宅にはたくさんの小さな印刷物が保存されています。

小さいけど素敵な子供服のカタログ
それはもちろん、アイデアのシンクタンクを前提としたコレクションなのです。
困ったとき、デザインのヒントになるかもと思って保存しておくのですが、実際にそれを活用できるシーンはほとんどありません ww
かと言って、いつか使えるのでは?と思ってすぐには捨てられない。
数年経ってそのケースを開けると、トレンドを過ぎて古ぼけたデザインになっていると感じるものが大半です。
場所だけを占有している非常に無駄なコレクション。
100個保存しておいて、1つ使えればよい程度でしょうか。
背を布で接着している造本がカワイイ。
板紙のページは、自分が子供の頃によく見た昭和の図鑑の仕様です。
さて、そんな中から今日は1つ事例を紹介したいと思います。
ベルギーのデザイナーで、ドリス・ヴァン・ノッテンという人がいます。
80年代、アントワープの6人と呼ばれたのうちの1人で、センセーショナルなデビューを飾ったファッションデザイナーです。
今年の1月に公開された映画にもなった人ですね。
一時期青山にお店がありましたが撤退、その後再上陸して現在また青山に旗艦店あります。
そのお店、運営がトゥモローランドと知ってびっくり・・・
それまあ、よいのですが、
彼がまだ子供服ブランドをやっていた頃(今もやっているのかな??)そのシーズンカタログがすごく素敵だった。
絵本のような装丁がカワイく、子供の写真とマッチしていて美しいものでした。
表紙に1997年って書いてありますから、発行は自分がまだ企業に勤めていた頃ですね。
子供の笑顔と空気感のあるナチュラル写真、美しい発色の印刷、板紙のような合紙のページを使った絵本のような装丁がさらにそれをユニークなものにしています。
僕は早速コレクションに加えました。
数年後、ジュノン編集部(主婦と生活社)の編集長から電話がありました。
当時僕はジュノンの雑誌デザインを担当していたので。
電話の内容は、ジャニーズのカレンダーの仕事を手伝ってほしいと。
その当時、ジュノンはまだジャニーズと決別する前だったんですね。
今では一切ジャニーズのタレントを使わなくなりましたが。
大手出版社が順番に持ち回りで、毎年ジャニーズのカレンダーを作るのだそうで、他の出版社と比較されるためライバル企業と張り合う意味合いもあるので、普通のカレンダーではないものを作りたいというリクエストでした。
色々考えていく中で、数年前にコレクションしていたドリス・ヴァン・ノッテンの美しいカタログのことを思い出し、これをジャニーズカレンダーに転用することを思いつくのです。
それは何年も保存しておきたくなるものを作りたいという想いからでした。
こういうデザイン、日本人にはなかなかできないでしょう。
写真のトーンとページの色を合わせていて美しいハーモニー。
当時僕はまだ30歳ちょっと。
独立したばかりで、事務所は自分を入れて、スタッフ3人しかいませんでした。
企画発案、台割、ロケ地選定、撮影、スケジュール、チームのキャスティング、もちろんアートディレクションからデザイン、スタイリスト、ヘアメイクへの指示、すべて自分一人でコントロールしなければなりませんでした。
さすがにジャニーズ事務所とのやり取りと、ロケ弁の手配だけは編集部がやってくれましたが。
打ち合わせから構成、フィニッシュまで、すべての行程を一人で行った思い出深い仕事です。
モードファッションとアイドル、意外な組み合わせだから面白い。
この間、家を整理していたら、たまたまこのドリス・ヴァン・ノッテンのカタログが出てきて、この仕事のことをふと思い出してこの記事を書いています。
今見ても美しい。
撮影してくれた大学の同級生のカメラマン、貝塚さんに20年ぶりにばったり会ったのもタイミングでしたね。
保存しておきたくなる美しいものを作りたい
次回、自分が若かりし日に手掛けたこのジャニーズのカレンダーについても紹介しますね。
今回の記事は、今見ても美しい、ドリス・ヴァン・ノッテンのキッズカタログについてでした。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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