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つなぐ、つながる スクールブランディング

私の履歴書
Feb 06,2020

僕は今、小学校のPTAの副会長をやっています。

これで役員をやるのは3回目になります。

PTAって誰もやりたがらないので、僕のような小者にも毎年声がかかるのですが、その度に毎回お断りしてきました。

以前引き受けた時が大変だったというのが大きな原因です。

一筆書きのロゴはけん玉のヒモをイメージしています。
学校は社会の縮図だと思います。
良識ある人もいますが、一方では名誉欲、自己承認欲、いじめ、マウンティング、噂話などが渦巻いている。
そうしたことに耐性のない自分は、少しでも勉強になればと思い、その感覚を呼び起こすために前回PTAを引き受けたという背景がありました。
社会のために仕事をしているのだから、社会を知る必要があると思っての行動です。
やってみるとPTAの仕事をする時間、学校で起きる問題について考える時間、それは結構な負担でした。
以前副会長を引き受けた時、学校に行った回数は年間70回。。
役員を引き受けた人が感じるこうした大変な想いを少なくすることはできないものだろうか?と思いつつ、改善もできないまま前回は任期を終えたのです。
こちらはイラストバージョン。やっぱりけん玉です。
今回なぜ引き受けたのか?
以前一緒にやろうと誘ってくれた人から、最後だからと誘われたことが大きいです。
前回役員をやった自分の経験から、何かを変えなければいけないという想いもありました。
引き受ける人が大変、貧乏くじと思わないようにできないものかなぁと。
前回役員を引き受けた時は、ちょうど周年行事に当たる年で、周年イベントに必要な資金をPTAの活動によって集める必要がありました。
寄付は禁止されているので、物販でお金を集めるしか方法はない。
PTAの皆さんの協力で、なんとか100万円を集めることに成功しましたが、、、
大変だった・・・・
それを周年行事のツールの制作費や、加湿器など学校で必要なものの購入費に充てました。
それまで貯まっていた積立金には一切手を付けず、周年行事のためだけに集めた100万円をもろもろ必要な経費に充てたので、プラスマイナスはゼロ。
その後、僕が役員から遠ざかっている間に、もう1度周年行事がありました。
今回久しぶりに役員に戻ってみると、以前手を付けなかった積立金は、その周年行事ですべて使われていた。
具体的には言えませんが、数百万あった積立はゼロに・・・・

また必ずやって来る次の周年行事の年に、役員を引き受けた人は困るに違いない。
僕が引き受けた時のような、大変な想いをさせてよいものなのだろうか?
前回の周年行事に参加した経験があったからこそ、わかることでした。
役員の任期は1年で終わるのだから、先のことはその年の役員が考えればよいという考えではなく、その時に困らないよう、今できることをやるべきだと思いました。
それは前回の周年を経験した自分にしか提案できないのではないかと。
自分が以前経験した周年行事、あの時貯まっていた積立金をもしすべて使ってしまっていたら、去年周年を担当した人たちは、いったいどうしていただろう?
もう100周年が近いのです。
体育の時間にも着られるトレーナーから販売
色のバリエーションも持たせて選べるようにしました。
周年の資金集めのプロジェクトを提案しました。
1年で終わるプロジェクトではなく、毎年引き継いでいけるもの。
僕が提案して自らできることはクリエイティブしかない。
色々なツールに展開できるデザインを作り、その版を使いまわしたり、同じ業者に発注できる段取りをつけて毎回誰でも発注できるスキームを作って申し送りしていくこと。
版のデザインを変えてもよいし、その場合でも業者との座組をいつでも使えるようにしておけば、業者をゼロから探したり、見積もりを取る手間もない。
こちらは杢グレーのイラストバージョン
子供が通っている小学校は「けん玉」で知られています。
全学年でけん玉をするという特徴があるので、それをテーマにすることにしました。
けん玉は、剣と玉が2つで1つ。
2つをつないでいるヒモは、親と子をつなぐ、学校と子供をつなぐ、そして未来ともつながっているというコンセプト。
けん玉のヒモから発想して、「つなぐ、つながるプロジェクト」と名付けることにしました。

いくつか案を考えましたが、子供の創造力を表現するなら手描きが良い、と。
優しく、伸び伸びとした、そして親近感のあるイラストで行こう、と。
現在ロンドン在住で、プロのイラストレーターとして活躍しているうちの元スタッフにイラストを描いてもらえないか打診してみました。
快く受けてくれて嬉しかったなぁ。
描いてくれたのは秋山貴世さんです。
最初に役員用に試作品を作りました
役員会で承認をもらって、プロジェクトはスタート。
手始めに、まずトレーナーから販売することにしました。
全校向けに販売を開始したところ、予想を超えて400枚近くも注文が入りました。
今後Tシャツなどへ展開した販売も予定しています。

渋谷近辺の小学校では、学校でオリジナルのTシャツを作っている学校があります。
それらの学校にも負けない、大人が着てもお洒落に見えるようなデザインにしたいという想いもありました。
そこで80年代テイストという裏テーマも入れて、よくあるスクールTシャツではなく、イマドキのファッション感覚も持たせています。
見方によっては、ウォークマンやニゴの手掛けるHUMAN MADEのロゴにも見えませんか?w
僕もこれを着て会社に行ってますw
スクールブランディングはまず、インナーブランディングからだと思います。
その意味でまず役員から、そしてPTA全体へという段取りを取りました。
一番重要なことは、こうしたプロジェクトを次へ引き継いでいくこと。
100周年までうまくバトンを渡して行ってくれたら嬉しいです。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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