談話室松本をリニューアルしました。
これまでの談話室松本はこちらからチェックできます

  1. top
  2. 映画
  3. こんな時は、家で珠玉の映像マスターピースを見よう!

こんな時は、家で珠玉の映像マスターピースを見よう!

映画
Apr 02,2020

今回の記事は、女子にはまったくわからないであろうテーマです。

円谷プロダクションって知ってますか?

きっと男子は誰もが知ってると思いますが、女子にはまったくなじみがないでしょう。

ウルトラシリーズと共通するタイトルバック
円谷プロダクションといえば、ウルトラQに始まり、ウルトラマン、ウルトラセブンに続くウルトラシリーズ、
そしてゴジラで知られる怪獣映画の特撮です。
特撮というジャンルは、初代社長の円谷英二が世界で初めて開拓した分野なのです。
日本が世界に誇るアニメと特撮は、日本独自のカルチャーであり、円谷プロはそのパイオニア。
当時、昭和の子供たちの心を鷲掴みにして、大ヒット作を連発しました。
僕ももちろんウルトラシリーズとゴジラで育ちましたよ。
大好きです。
劇中に出てくる60年代のリアルな社会風俗がたまらない
今回はその円谷プロダクションが手掛けた中でも異色作「怪奇大作戦」を紹介します。
ウルトラマン、ウルトラセブンで次々とヒット作を世に送り出したあと、子供向けだけでは飽き足らず、大人向けの特撮ドラマとして制作したのが「怪奇大作戦」です。
1968年から6ヶ月間、TBSで毎週日曜の夜に放映されていました。

ウルトラセブンが終わったあと、次の帰ってきたウルトラマンが始まる前に放映されたこの番組は、現代社会で起きる解決不可能な怪奇事件の数々を、科学捜査の力で解き明かすという、アメリカのXファイルのような、そして沢口靖子演じる科捜研の女w のようなストーリーになっています。
犯罪の謎解きをしていくのはSRIという5人組のチームなんですが、演じている岸田森含め(樹木希林の最初の旦那さん)、メンバー全員が60年代の細身のスーツを着て登場し、毎回劇中で煙草を吸いまくりで、カッコいいんですよねー
ヒットしたアメリカのテレビ番組、リアルMAD MENです。
60年代のダンディズムにシビれます。
また山本直純の主題歌、エンディングの曲がよいです。
毎回バンバン煙草を吸うシーンが出てきます。 ラペル幅の細い60年代のスーツがカッコいい!!
そんな「怪奇大作戦」ですが、去年DVDボックスが発売されて、速攻で購入しました。
こんなマニアックな映像を求める人がいるのだろうかと思うんですけど、ウルトラセブンのボックスも持っている自分としては、もちろんマストアイテムですよ。
セブンの根底にあるテーマ、地球外から攻めてくる宇宙人を当時の日米安保の問題になぞらえた社会への問題提起、その他にも冷戦時代の核開発、放射能、公害問題などなど、社会的なテーマを扱った暗いストーリーも好きですが(もちろん子供の時にはまったくわからなかった内容)、リアルなドキュメントタッチの「怪奇大作戦」の方がもっと好きです。
そこには大きな理由が。
第4話 恐怖の電話にはウルトラマンのフジ隊員が出演
岸田森がタバコ屋で取材するシーンがめちゃカッコいい
以前もこのブログに書きましたね。
セブン同様、「怪奇大作戦」には実相寺昭雄監督の作品が4本含まれているからです。
その回だけは、以前から単品のDVD購入済で持っていましたけれど、今回はボックスで買いました。
・第4話 恐怖の電話
・第5話 死神の子守歌
・第23話 呪いの壺
・第25話 京都買います
これがサイコーなんです。
いやマジで最高ですから、是非見てください。
ホントにサイコー過ぎて、みんなに言いたくて仕方ないです。
たまりません。
1/6サイズで作られた京都妙顕寺の模型を燃やすシーンはまるで本物
「怪奇大作戦」のシリーズ中で、もっとも視聴率が低かったのが「京都買います」の回らしいのですが、これが26本の中で一番素晴らしいです。
実相寺監督は、ウルトラマン、ウルトラセブンの制作も手掛けており、メトロン星人が出てくる回は有名ですが、個人的にはそれと同じくらい好きです。
カッコいい絵画のようなカメラアングル、ドラマらしくないドキュメンタリータッチのリアルな撮影手法、効果的な音とBGM、光と影が織りなす逆光のシーン、実相寺演出の特徴がここでも顕著に見られます。
映画「真夏の夜のジャズ」、いやソール・ライターの写真を見ているようで、クール過ぎます!
ソール・ライターの写真展は、僕も1回目は見に行きましたが、今月開催だった2回目は残念ながらコロナで中止になっちゃったから、是非家で「怪奇大作戦」を見ましょう!
こんな時だからこそ自宅でゆっくり見て欲しいのです。
60年代のヌーベルバーグ映画のような「京都買います」
あまり多くの人の同意を得られないものを1人で熱く語るのは若干虚しいものですがw、でもやっぱりカッコいいんです。
1人でも言いたい!
怪奇大作戦の実相寺作品は、マスターピース=未来に残したい名作です。

SHARE THIS STORY

Recent Entry

松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
    青山ブックセンター