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イソップに見るショップのブランディング

ライフスタイル
Jun 28,2018

結構前になりますが、カメラマンである古い友人の誕生日パーティに呼ばれる機会があって、そのプレゼントを買いに出かけました。

何にしようか迷ったのですが、世界中をロケで飛び回っている忙しい彼には、自分を磨く道具としてメンズコスメがいいかなと。

大人の男子にスキンケアグッズ!シャレてるでしょw

大人の男子に渡して喜ばれ、かつ意外性のあるプレゼントってなかなかないものなのですよ。

お酒じゃストレートだし、少しひねらないとね。

インテリアが素晴らしいイソップ東京
行ったのは中目黒にあるAesop(イソップ)です。
イソップといえば、オーストラリア発の高級スキンケアブランド。
このブランドをはじめて知ったのは、パークハイアットのアメニティとしてでした。
パークハイアットがオープンした10年くらい前は、アメニティはすべてモルトンブラウンで揃えられており、その香りの体験がなんともショッキングで。
なにがショッキングかって当時は体験したことのない、あまりに素晴らしい体験で、ラグジュアリーとは何かということを香りで学習させてもらいました。
大げさではなく、ホテルのイメージを決定づけるくらいのインパクトがあったと思います。
その後、パークハイアットのアメニティはモルトンブラウンからイソップに代わり、その後変わってなければ今でも使用されているはずです。
ホテルのアメニティって、そのホテルのイメージを左右する非常に重要なアイテムですよね。
ガラス貼りなので、目黒川沿いを歩きながら店内覗けます。
斜めに設置されたチーク材の北欧風什器に整然と並ぶ商品。
さてそのイソップですが、オーストラリアっていう国のイメージはややマイナスなものの、デザインは素晴らしくやっぱりラグジュアリーなイメージなのかなと。
中目黒のショップは目黒川沿いにあります。
できた時は話題でした。
ウリはなんと言ってもインテリアデザインでしょう。
ウッドをメインに使った和モダンで、什器がチーク材のため一見北欧風にも見える空間。
昭和の日本家屋がテーマで、1950年の邸宅をイメージしているそうです。
店内はかなり広くゆったりとしていて、奥には中庭もある。
贅沢な時間がゆっくりと流れていて、それがウリのお店。
インテリアデザインは、シンプリシティの緒方慎一郎さん。
古くは中目黒にあるレストラン、東山トーキョー、同じ系列の和菓子ヒガシヤ、そしてハイアットグループのホテル、アンダーズトーキョーなど素晴らしいインテリアデザインをたくさん手掛けています。
銅とモルタル、モザイクタイルを使った流しは昭和イメージとのこと。
しかし若者が集まる中目黒という場所とこの値段、合うのだろうか??不思議です。
銀座価格なのですが、今はコンセプトショップが主流になってきているから、ショールームとして機能していればいいのかな。
カメラマンの誕生日プレゼントという主旨を伝えて、お店の人に色々商品を見せてもらったのですが、料理のように商品をカウンダーに1点ずつ置いて説明するのも、なんか変わった接客でした。
カメラマンならレンズを覗くので、目のうるおいのためにアイケアは必須じゃないですか?というので、そうですねーなんて話をしていたのですが、オススメされた商品は15ミリリットルで9,000円!
15ミリリットルですよ。
ちなみに目薬がだいたい15ミリリットル(1000円前後)です。
女子と違ってスキンケアの価格に馴染みがない自分はびっくりしてしまいました。
迷いましたが、結局洗顔スキンケア関連の商品を3つ選んで購入しました。
3つで2万円少々。
1つ8,000円のクレンザーなんて、男子は自分ではなかなか買わないでしょうから、プレゼントされるのは自分磨きとしていいのじゃないのかなw
店内の什器の裏にある隠し扉を開くとまた別の空間が。
ベッドの上の天井には小さな文字が。
この中目黒のイソップにはもう1つ特徴があります。
それはフェイシャルトリートメントの部屋があること。
フェイシャルトリートメントのサービスは日本ではここだけでしか受けられないとのことでした。
店の奥にあるドアをあけると、そこにはベッドが置かれた隠れ部屋が。
それだけでもちょっとびっくりなのですが、さらにもう1つのドアをあけるとトイレとシャワールームがあって、さらにびっくりしてしまいました。
そんな部屋があるなんてまったくわからない。
そしてベッドの真上の天井には何か文字が。
「決して妥協するな」という意味の英語が天井に書かれています。
寝転んで施術を受けている間、この文字が目に入ってくるわけですね。
そっか、女子にとって美に妥協は許されないのだなと。。
それを見た僕は、ジョンレノンがオノヨーコの個展に初めて訪れた時のことを思い出してしまいました。
ギャラリーの部屋には何も展示されておらず、脚立が1つ置かれているだけ。
登ってみると天井には何かが書かれていて、それをぶら下がっている虫眼鏡で覗く仕掛けになっている。
覗いてみると、そこにはYESという文字だけ。
もしそれがNOだったら、ジョンレノンはオノヨーコに何も興味は示さなかったと語っていました。
2人が付き合うきっかけになった個展でしたね。
お茶をいただくと、その内側にも何やら文字が。
なんていう関係のない雑談話をスタッフの人としながら、お店で出されたお茶をご馳走になっていたのですが、、
湯呑の内側にも何かある。
よく見ると、さっき見た天井と同じ文字が。
むむむ。
気が付けば、その文字は製品のラベルデザインやパッケージデザインに使われているのと同じフォント。
すべて統一されていることに気が付くのでした。
いやぁ、ブランディングってこうじゃないきゃいけないですよね。
心憎いです。
中目黒のAesopのお店は一見の価値ありです。
とてもカッコいい中目黒にあるイソップ東京。
空間を見に行くだけでも行く価値があります。
中目黒をに行く機会があったら是非入ってみてください。
そしてその際には、フェイシャルトリートメントの隠れ部屋も見せてもらってくださいね。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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