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多様性への理解とPTA

私の履歴書
Jun 26,2019

世の中はダイバーシティ、多様な個性を認めようという空気がかなり強まっています。

個性だけでなく、考え方、所属や性別、肩書すらもボーダーはなくなりつつあります。

そんな中で僕たちはどこに居場所を見つけて、何を手掛かりに、どうやって生きていけばよいのか、選択肢が増えた分、個人というものが試されているように思います。

今年も3回目のPTA、副会長をやることになってしまいました・・・
先日代々木上原のカフェに行ったら、今まで見ない新しい女子が働いているのを見つけました。
どう見てもかなり若いので、あなた大学生?と聞いたら、
「もし高校に行ってたら今高3です。途中で退学しちゃったんで、、、」という答え。
時代は変わりました。
自分たちが高校の時は、そんな答えはまずできなかった。
高校を中退したら=ドロップアウト、通常のコースを外れた人という目で見られて、世間からは不良とニアリーなカテゴリーに入れられたと思います。

しかし、今は高校中退というワードを聞いても、へぇそうなのか、くらいのもので、
行きたくなければ無理していかない方がハッピーだよね、という見方に世間の目は変わりました。
ポジティブに行かない選択をしてもよいし、それが人生を決定するものではないということが、少しづつ認知されつつあるからです。
深いところで偏見はまだあると思いますが、それでも昭和の時代から比べると、世間は多くを認め、多面的な見方に変わってきたと思います。
1つの尺度だけで物事を見るのではなく、色々な見方があっていいということ。
色々な人がいるのだから、それを認めていこうという流れは、ますます強くなっていると思います。

しかし一方で、「良識」という概念もなくなりつつある気がするのです。
百科事典で調べると、「良識」とは物事を正しく判断する能力と書いてある。
この「良識」というものは今まで多くが、世間の多数派が担っていたように思います。
そして「良識」がないことは、排除される傾向にありました。
しかし、ダイバーシティ(多様性)を認めていく中で、何でも声を大きく上げたものが勝つような風潮が強まり、SNSがそれを後押ししているように感じます。
善悪の垣根を超えて、モンスター化したものが市民権を得たりすることも状況として起こるようになりました。

事件を起こした芸能人を叩くワイドショーのマスコミ報道は、あなたはどちら側につくのか?という判断を突きつけつつ、こちら側につけよという報道になっていて、それをおかしいという人もいます。
個人が声を上げられる世の中は以前よりよくなった反面、一方で道理の通らないことでも大きな声を出せば通る可能性があるというのはいかがなものか。

個性を認めることと、良識を持つことはまったく別のことだと思います。
多様性を認める世の中だから、良識にも多様性があるということはないと思うのです。
良識は自分自身で、物事の良し悪しを判断できるスキル。
良識という能力は、いったいどこで醸成されて身に付くのでしょう?
それはきっと家庭での親の教育が8割以上ではないでしょうか。
そしてなぜかPTAの役員Tシャツをデザインすることに
僕は今年から再び、小学校のPTAの副会長を務めています。
小学校の中でも同じようなことが起きている。
学校の父兄の世界は、社会の縮図のようなところだと思います。
やっぱり社会で生きていく上で、「良識」というものは拠り所として必要であり、持つべき大切な尺度だと感じているのです。
抽象的かもしれませんが、会社でも社会でも「良識」を忘れてはなりません。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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