談話室松本をリニューアルしました。
これまでの談話室松本はこちらからチェックできます

  1. top
  2. 食べる
  3. 代々木上原の恵比寿化を阻止したい

代々木上原の恵比寿化を阻止したい

食べる
Jul 11,2019

先日は代々木上原の名店、すし勘分店が閉店してしまうという悲しいニュースを紹介しました。

もう食べられないのかと思うと残念で、昨晩もすし勘の出前の手巻き寿司を注文しました。

あ~美味しい。

そして残念。

もっと食べたい。

美味しくて美しい手巻き
さて、前回も(いえ、今まで何度もw)変容していく代々木上原周辺の話をここに書いてきましたが、今回もちょっとだけ紹介したいと思います。
東京の駅がすべてこうした状況ではないと思いますが、それにしても移り変わりが激しすぎる。
オリンピック以後はどうなっちゃうんでしょうね。

ビル・ゲイツが愛した「すし勘分店」以外にも
1972年に創業した代々木八幡の和風スパゲティの老舗「ハシヤ本店」、
1979年に開店した洋菓子「ダリオルール」など、
40年以上続いた、時代を牽引した老舗の名店が次々閉店に追い込まれていくのは本当に悲しいです。
70年代に開店した店が多いのは、オーナーの高齢化とビジネスモデルの限界を意味しているのでしょうか・・・

1979年から代々木上原の地で、ランドマークとして(駅からも見える)長い間営業を続けてきた「丸正ストア」、
そして林真理子さんをはじめ、僕も大好きで毎週通った1978年創業の「幸福書房」も去年閉店してしまいました。
駅前にあった「桝本酒店」、喫茶店の「紅屋」、クリーニングの「カンダ」、文具の「錦宝堂」も、ここ3年以内に閉店してしまい、今その姿はありません。
こうして見てみると、スーパー、書店、文房具など、昭和からの小売のビジネスモデルが大きく変化していることを痛感します。
残るは1963年創業の喫茶「さぼーる(茶望留 )」、
1965年創業の古賀政男が愛した「鰻の舟与」、「フジパン」、「石井珈琲」くらいでしょうか。
1954年に創業した、つけ麺のルーツ「大勝軒」も忘れてはなりませぬ。
これら60年代から続くお店は、70年代にオープンした店とは異なり、2代目にうまくバトンタッチができているのかもしれませんね。
オンラインストアに替え難い、こうした体験型の個性あるお店たちは、今後も頑張って続けて欲しいです。
もう食べられないかと思うと悲しいです
この状況を今までも、パン抗争、コーヒー抗争、蕎麦抗争と、テーマを変えてこのブログでも紹介してきました。
この3つのジャンルは、特に抗争が熾烈を極めています。
その中で新旧の入れ替わりがあるのは当然のことかもしれませんが、やっている人たちと顔見知りになり、その人柄に触れると、ノスタルジー以外の感情がどうしても湧いてきてしまいますね。
次々と姿を消していく地元の人たちが運営する個性豊かな店をよそに、代々木上原にもダイソーとブックオフという(駅から0分)、大型チェーン店の波が押し寄せてきており、それらが来た時点で他の電鉄の駅と同一化してしまうのではないかという危惧を感じます。(なんとガールズバーもできました・・・・)
そうなったら、東京カレンダーが定義する”港区とは対極にある最高峰・代々木上原”(!!!)ではなくなって、つまらない駅になってしまうことでしょう。

さて今回は、港区とは対極にある最高峰(!)である代々木上原に、新しくやってきた店を2軒紹介しましょう。
どちらも新しいビジネスモデルを持ったイマドキのお店です。
住宅街のわかりにくい場所に忽然と。
1つめはいちご専門店「いちびこ」。
もともと三軒茶屋にあって、女子の間で大ブレイクしたお店です。
それが代々木上原にやってきました。
場所はちょっと変なところにあるのですが、物件の少ない上原、出店はなかなか大変だったことでしょう。
しかし、そこまでして上原に出店しなくても、原宿とかあると思うのだけど・・
いちごのスイーツのみを扱うお店で、テイクアウトもイートインもできます。
ラインナップは、いちごのプリン、いちごのシュークリーム、いちごのスムージー、いちごのソフトクリーム、いちごのかき氷などなど、なんだか甘すぎて、虫歯になりそうですが、女子はいくつになってもこういうのがたまんないんですかね。
インスタ効果で人気が出たのも今っぽいです。
いつごばかりで女子は大好きでしょうね。
もう1つはチョコレートの「ミニマル」2号店。
以前このブログにも書きましたが、チョコレートでブレイクしたミニマルが打ってきた次の一手です。
しかし1号店は歩いてすぐ行ける場所にあるのに、なぜまた上原に?
と思ったら、2号店はガトーショコラ専門店。
なるほどねー、チョコつながりで、ケーキに展開したわけだな。
こちらもかなりわかりにくい場所にあって、古民家を改造した店舗でお金かかってます。
そんなにお金かけて上原に出店しなくても、蔵前とか広尾とか、鎌倉とか出す場所他にもあると思うのだけど・・・
MEIJIもベンチマークにしたミニマル次の一手
2つの店舗は明らかに似ていますね。
どちらも新しいビジネスモデルで既に人気があり、次は上原で勝負するっていう意気込みが感じられます。
先にやってきた話題の店「アスタリスク」と同じ出店です。
チョコをケーキに展開
場所がめっちゃ変なとこだけど、ここに出す意味あるのか?
話は変わりますが、
僕が大学の頃、恵比寿は地元のお店がまだまだたくさんあって、コルシカなど他の駅からデート目的で行く店もあったけど、その並びには、かつて日本のすべての駅に存在したであろう子供向けの古いおもちゃ屋さんがあったり、新と旧が入り混じる魅力的な駅でした。
しかしいつの頃からか、深夜まで営業する飲食店が増え続け、合コンや飲み会の聖地のような場所になり、六本木のような品のない街へと変貌していきました。(恵比寿に住んでる人ゴメンナサイ)
僕は少し前の、地元のお店とイマドキの店が混じったバランスが好きだった。
今広尾も、イケてる店が次々進出し、そのバランスが崩れる危機に瀕していると思います。
新しいお店ができるのは楽しいですが、馴染みの古い店が消えてしまうのは悲しい。
代々木上原はそうなって欲しくないと願うばかりです。

SHARE THIS STORY

Recent Entry

松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
    青山ブックセンター