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ハモニカ横丁の「みんみん」忘れられない青春の味

食べる
Jun 10,2021

吉祥寺に住んでいる人なら知らない人はいない、

いえ、東京多摩地区の中央線沿線に住んでいる人なら誰でも知っている店

それが、吉祥寺にある「みんみん」です

ハモニカ横丁の赤い暖簾が目印です。
前回このブログで、下北の名店「珉亭」を紹介しました。
それに負けずとも劣らない名店、それがこの「みんみん」です。
下北沢には以前、駅を降りてすぐの場所に細い路地があって、そこにたくさんの店がひしめき合って並んでいました。
戦後の闇市がそのまま残ったものですが、残念ながら駅周辺の再開発により、姿を消してしまった。
「珉亭」と違ってこちらは食品サンプルもキレイw。
下北のそれは、吉祥寺のハモニカ横丁によく似ていました。
ハモニカ横丁もそろそろ無くなる、と以前から何度も言われてきましたが、
なんとか、かろうじて現在も残っていますね。
吉祥寺のハモニカ横丁には、個人的な思い入れがあります。
僕は大学生の頃、吉祥寺で2年間、アルバイトをしていました。
その時に昼休憩でよく行ったのが、「みんみん」そして「吉祥寺 ホープ軒」でした。
当時のハモニカ横丁は、今のように隈研吾の設計によるスカした店もなかったし、そんなに混んでもいなかった。
街全体が郊外の落ち着いた庶民の街、そんな雰囲気に溢れていました。
今みたいに無印もユニクロもなくて、人が集まるのは西友とロジャースだったけど、
駅前のライブハウス「まんだら」で、リリーフランキーたちとよく演奏したことを思い出します。
吉祥寺には井の頭公園があるので、ボートに乗った後にデートの利用もたくさんあったはずですが、お洒落な店はそんなに多くなかった印象です。
ファンキーやティークリッパー、西洋乞食、ペンギンカフェ、そして東急裏にある多奈加亭くらい。
渋谷のようにギラギラしてなくて、みんな品の良い静かなカフェ。
初めてカプリチョーザが吉祥寺に出来たときは、すごくお洒落に思えました。
夜は、ジャズの「サムタイム」や、ロックを聞かせる「赤毛とそばかす」へ。
どの店もスカした感じはなくて、紅茶とケーキを出す、郊外特有の落ち着いた雰囲気がありましたね。
ほとんどの店は、今はもう無くなってしまったけれど、あの頃と変わっていない「みんみん」に行くと、当時のことを思い出します。
丸ゴシックでデザインされた素敵なイエローのメニューと、愛おしいテーブルのセッティング。
「みんみん」は昭和34年の創業。
もう60年以上前からこのハモニカ横丁で営業しているのです。
下北の「珉亭」より、こちらの方が古いですね。
15人くらいしか入れない狭い店内。
この店でのマストなメニューは、あさりチャーハンと餃子です。
「餃子のみんみん」と呼ばれているように、餃子の持ち帰り専門カウンターもあるので、
時間のない人はぜひ持ち帰りもお勧めしたい。
内装が古いので、汚いというイメージを持たれるかもしれませんが、とても清潔。
そして個人的には、古い店=パンチがあって濃い味という勝手なイメージを持っているのですが、どの料理もとてもやさしい味。
優しすぎて物足りなく感じることもあるくらいです。
清潔な店内、とてもマイルドな味、ここが「みんみん」のチャームポイントだと思います。
よい意味でのギャップに惹かれます。
味噌ラーメン。あさりチャーハン、餃子。優しい味が溜まりません
サンロードにあった僕がバイトをしていた店は、今はもうありません。
自社ビルの1階が店舗だったけれど、ビルの名前も変わっているので
たぶん別の人の手に渡ってしまったのだと思います。
吉祥寺に行く度にいつも思い出して、当時の人たちに会いたくなるのですが、
もう会うすべはありません。
今頃どうしているだろう?
吉祥寺はあれから東京都で住みたい街No.1にもなり、駅前のロンロンも改装され、たくさんの人が集まる街になりました。
街も人も変わっていきます。
そういえば、自分がバイトをしていた時も「みんみん」は赤い暖簾でした。
ずーっと変わってないんですよね。
近所にあったら、ここも毎週行きたい店です。
ずっと変わらないで欲しい。
伊勢屋で焼き鳥、肉のさとうもいいけど、是非1度「みんみん」へ
ハモニカ横丁といえば、「みんみん」以外にもう1つ思い出す店があります。
「みんみん」で餃子を食べたら、いえ、「みんみん」に行かない時でも、バイトで吉祥寺に来たら、「みんみん」の向かいにある輸入衣料店「ウェスト」によく行ってました。
吉祥寺はファッションの街ではないですが、ここだけは別でした(逆に言うと、ここくらいしかない)
欲しいものがないのに、買ってしまう。
武蔵野市にありながら、台東区のアメ横そのまんまの感じが大好きな店です。
1度火事になって閉店したけど、営業を再開して今も同じ場所で健在です。
こちらも「みんみん」とセットで是非行ってみてください。
先日、何年ぶりかに行ったら、セントジェイムスのボーダーシャツが全色揃っていて、そんなに欲しくなかったのに、やっぱり買ってしまった 笑
愛すべきは、こういう店です。

気づけば、今回は脈絡のない散文になってしまいましたね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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