談話室松本をリニューアルしました。
これまでの談話室松本はこちらからチェックできます

  1. top
  2. 仕事
  3. 仕事は人が作る。つながりを忘れない。

仕事は人が作る。つながりを忘れない。

仕事
Jul 01,2021

あれはちょうど20年前でしたね。

まだ独立してから5年も経ってない時の仕事でした。

会社のスタッフは、まだ7人くらいだった時です。

誰でも知っている通販企業のオンラインストアのリニューアルの仕事でした。

今回は家のイラストを描きました
その企業名を聞けば、きっとほとんどの人が知っている会社。
以前企業に勤めていた際に、別の通販企業を担当していたことがあったので、競合としてその存在は自分もよく知っていました。
ずいぶん前のことですが、やり方は今と同じで、企業のコアドメインを調査し、全体の構成を考え、システム要件を画面設計に落とし込む。
そこからデザイン、コーディング、開発側と調整~テストを行う業務。
使う技術やソフトは変わっても、思考のフレームは今とまったく同じです。
当時オンラインストア構築は最低でも5,000万以上、だいたい1億前後を初期にかけるのが普通でした。
オンラインビジネスの重要性は認識していても、初期の投資を回収した後、どの時点から収益化できるのか、かなり先を見越して判断しなければならない時代だったと思います。
それだけにオンラインストアを始める企業はどこも、そのビジネスに賭ける意気込みがありました。
僕たちもそれに応えて、この通販企業をはじめ、HMV、伊勢丹、三越、日比谷花壇、伊東屋、ショップチャンネル、ミラベラ、チケットぴあ、●●●●●ランド(みんながよく知っている)、イトキン、TSI(サンエーインターナショナル)、マークスタイラー(runway channel)、フランフランなどなど、
今までたくさんの大規模オンラインストアの構築を手掛けてきました。
コマース21、FatWire、当時のECパッケージはみんな高額だったことを思い出します。
その後もEC cube、えびすマート、EC being、マーブル、カラーミー、最近ではShopify、今までたくさんのECパッケージを使って、数多くのオンラインストアを構築してきました。
まず鉛筆で下描き
ペンで清書
透明水彩で着色です
さて、この通販企業との仕事は2001年に始まり、今も続いています。
私たちのクライアントは1度取引が始まると、その後長きに渡って継続した取引になるケースが多く、20年以上取引があるということも珍しくありません。
担当者の方に信頼されて、継続的に発注いただけるということは私たちの誇りでもあります。
大企業では異動が多く、窓口の方も変わってしまう中で、取引が継続できるというのは嬉しい限りです。
水彩で色を重ねていく作業が一番時間がかかります。
20年前に初めて会った通販企業の担当の方とも長きに渡ってやり取りがありました。
その方から今年退職されるという連絡があり、次の職はまだ決まってないことも告げられ、
「なんとかなります。頑張ってください!」とお伝えしたのですが、その2か月後には無事に再就職先が見つかったという一報をいただきました。
良かったですねぇというやり取りだったんですが、この方から今回の再就職に尽力してくれた方にお礼として絵を送りたいと。
その絵を描いて欲しいというリクエストをいただいたのでした。
お世話になった人への贈答品に、自分が描く絵が相応しいのかなと思ったりしたのですが、
20年間お世話になった方なので、了承して描くことにしました。
その方の家を描いて欲しいという要望でした。
細かい部分は面相筆で
これで完成です
教えていただいた住所をgoogle mapのストリートビューで調べて、それを見て描くことにw
実に今っぽいやり方ですが、それしか選択肢はないですから。
いつものように、鉛筆で下描きをして、水彩で着色です。
でもストリートビューにある画像は天気が悪くて、どんよりとしているんですが、それを暗くならないようにアレンジして描く必要があり。
アレンジしましたが、なかなか晴天にはならず、、、笑
どうでしょうか?
マットを入れて額装です。
サイン脇の印鑑はオリジナルで作ったもの。松と本です。
人のつながりは大切だと思います。
特にお世話になった方には、誠意を持って感謝の気持ちは伝えたいです。
企業を辞めて独立したとき、1番最初のクライアントだった講談社の担当の方は、今でも毎年お中元を贈らせていただき、交流があります。(自分の結婚式にも来てもらいました)
一番大変な時に支えてくれたことに、今でも感謝しています。
やっぱり仕事は人と人のつながりだと思ってます。
信頼に足る成果物のクオリティはもちろんですが、その人の気持ち、一緒にやりかたいかどうかというのは、発注する側にとっては、とても重要なことではないでしょうか。
会社に所属していても、やはり仕事は人だと思います。
その人の人間性に触れることが、仕事のクオリティにも影響があると感じています。

20年間本当にお世話になりました。
今回の絵も喜んでくれたらいいのですけどね。
新天地で頑張って欲しいです。

SHARE THIS STORY

Recent Entry

松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
    青山ブックセンター