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今日本で一番アツい場所はどこだ? その2

旅
Sep 01,2022

日本で今一番アツいと勝手に定義しているしまなみ海道。

実際に行って見て、本当にそう感じました。

絶景、自然、気候、海、ロケーションがもたらす影響は大きいですが、そこにある文化や歴史もまた魅力的な要素となっています。

海外に行かなくても、国内にこんな素敵な場所があるんですよ。
豊かな海と自然に触れながら、瀬戸内に点在する島々の独自の文化や歴史を学べるのが、しまなみ海道の特徴です。
その1つ1つは奥が深くて、1度ですべてを見ることは難しく、複数回来たくなる場所ですね。
ホントにこんな魅力的な場所は日本で他にないのじゃないでしょうか。
次々と新しい要素に触れられるというのが、島々を巡る良さだと実感しました。
尾道から始まるしまなみ海道は、向島(むかいしま)、因島(いんのしま)、生口島(いくちしま)という広島の島々を経て、神の島と言われる愛媛県の大三島(おおみしま)、終点はその先のタオルの産地で有名な今治です。
見どころ満載なのですが、橋が開通したことによりこれらがつながり、さらにサイクリングというキーワードが加わったことにより、俄然輝き出したように思います。
このテラスで夜な夜な芸能人たちが騒いでいるんです。
自分が訪れた目的はいくつかありますが、サイクリングではないです。
まぁ絶景を見ながら自転車で島を巡ったら気持ちいいだろうなぁと思いましたが、真夏なのでそちらは遠慮して、、、車で巡りました。
僕の目的は、今の新しいライフスタイルを取り込んだ、一歩先行くビジネスをリサーチすることです。
しまなみ海道には今、様々な新しいスポットができており、その1つ1つの戦略を見て回って、インサイトを探る旅をしてみたいという思いがありました。
今のご時世、そこにデザイン戦略がきっとあるはず、それも体験したい。
前回も書きましたが、カルチャー×学び×歴史、そして変化するライフスタイル
これらが1本のストーリーでつながったしまなみ海道は、最強の地域ブランディングになっていると思います。
間違いなく、日本で一番アツい場所なのです!(語気強め)
エントランスからまっすぐ海につながる建築は素晴らしい。
まずは新幹線で福山へ。
福山は福山城が有名で、ここから鞆の浦を見て、しまなみ海道の起点となる尾道へ。
その途中に、その名を知らない人はいないであろう、ベラビスタがあります。
なぜこんなに広く知られているのか?
ラグジュアリーなホテルと言えば、ハイアット、フォーシーズンズ、アマン、みんな運営が外資な中にあって、ドメスティックなラグジュアリーホテルとしてその名が知られているのです。
経営母体は常石造船。
福山は造船で栄えた街、その中でも常石造船は明治から続く一番大きい造船企業です。
ベラビスタの運営も常石造船ですが、ドメスティック経営だけに脇が甘く、最近ではあのガーシーにリークされて、タダで泊まって色々な悪さをする芸能人たちが話題になっていますね。。
中村拓志の代表作のチャペルが見えます。
有名人俳優&モデル夫婦が最近福山駅前のマンションの最上階を購入したこと、
ベラビスタから見える場所に別荘を建てたエグザイル夫婦、
お忍びのジャニーズたち、ベラビスタに頻繁にやってくるホリエモンなどなど、福山は今芸能人たちが注目するアツいスポットのようです。
それらの情報はすべて、街のお土産屋のおばちゃんが知っているというのが面白かったw
福山に住んでいる人は全員知ってるんじゃないかという。。。
アイスクリーム買っただけで、情報全部教えてくれるおばちゃんは、ガーシーの情報源なんじゃないかと思うくらい何でも知っていて、、、笑
25年ぶりに会った地元の友人も、ハリウッド俳優夫婦が購入した福山駅前のマンションやエグザイル夫婦の別荘の場所も、めちゃ知ってました。
有吉&夏目夫婦が結婚式を挙げたのもここですね。
チャペルの建築はNAP建築設計事務所です(象徴的なガーデンデッキやロビー、スイートルームも)
1973年に常石造船の迎賓館として建てられた建物を、2014年にリニューアル。
中村拓志の代表作になってます。
左に見えるのがガンツウ。港を出て、また戻って来るだけですが値段が。
そして同じく常石造船が建造した豪華客船ガンツウ。
2017年に就航した新しい船です。
外観&内装設計は和の建築で知られる堀部安嗣。
鉄製の船の上に、日本家屋の屋敷を乗せたようなデザインw
この船の宿泊費がなんと55万!
言っておきますが、世界1周じゃないですからね。
ベラビスタを出港して、瀬戸内を回ってまたベラビスタに戻ってくるだけの金額ですよ。
ベラビスタは海外のような、ホントに素敵なロケーションですが、おばちゃんの話を聞いた後では、なんだかバブルな芸能人専用施設のように思えて、、、なんだか。。。
ここが出来た時にはスゴク話題になりましたね。
ベラビスタから尾道へ。
尾道にはONOMICHI U2という、倉庫をリノベーションした施設があります。
同じ倉庫内にはHOTEL CYCLEという名前のホテルがあり、日本で初めて自転車を部屋の中まで持っていけるホテルとしてオープンしました。
ここがしまなみ海道サイクリングロードの出発点になっています。
倉庫なので中はめちゃ広いです。
1943年の戦時中に建てられた県営上屋2号という巨大な海運倉庫をリノベーションした施設。
倉庫の名前が上屋2号なので、その頭文字を取ってU2という名称になっています。
ホテルだけでなく、自転車ショップ、レストラン、カフェ、バーなど、多くの店舗が入ってます。
その1つ1つにデザイン戦略が見て取れて、イマドキの複合施設の在り方を感じさせます。
まぁ元々の建物の魅力が半分以上だと思いますが、それでもコール天鋼(赤く錆びた鉄板)で作られたサインやロゴ、ショッパーのグラフィックなどにもセンスを感じますね(株式会社10のデザイン)
既存のものに新しい魅力を加えること、マッシュアップで新しい価値を生む手法は、尾道から出発するしまなみ海道の先に続々と出てきますが、申し合わせたように、すべてに共通するコンセプトになっています。
偶然のようですが、揃ってリノベーションだというのは時代なんでしょうか。
ちなみにU2の経営も常石造船です。
建築は、地元広島出身の谷尻誠。
建築は谷尻誠、ロゴは大阪のUMAデザイン。
既存のものを利用してどのように輝かせるか、ここがクリエーターのコンセプトワークの核であり、腕の見せ所、そして集客に直結する難易度の高い戦略部分だと思います。
インサイトをどこに見出すのか、それは作り手側の最大の課題です。
インサイト =消費者の潜在ニーズを購買欲求へと変化させる決め手
そこに切り込んで挑戦したサンプルを見る旅、それがこの旅のテーマでした。
日本で初めて自転車を部屋に入れて泊まれるホテル。
ここから今回の旅のメインとなる瀬戸内の島々に移ります。
しまなみ海道の起点は尾道ですが、ここから出てくる施設は、建築を主としたマッシュアップの手法の連続です。
そういう意味では、2014年という割と早い段階でオープンしたU2がしまなみのコンセプトの起点になっていて、あとに続く施設はそれに習ったのかもしれません。
ここからリノベーションのオンパレードなのが面白い。
そのレポートはまた次回にお伝えしますね。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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