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アパレルの30周年ブランディング

仕事
Oct 19,2017

うちの会社がある同じ代々木上原に、AMBIDEXというアパレル企業の本社があります。

駅から少し歩いたところに、ウェストパークカフェというオープンエアの有名なカフェがあって(現在は閉店)、そこへ食べに行くたびに隣にある大きな打ちっぱなしのビルが目に入っていたので、以前からその存在は知っていました。

企業の節目となるアニバーサリーロゴ開発。
そのAMBIDEXが、今年でちょうど創業から30年を迎えています。
節目の年ということで、湯村輝彦さん(!)のイラストによる期間限定グッズの販売を行ったり、全国の店舗で様々なイベントを開催。
うちの会社では、オンラインストアのリニューアルをやらせていただいたことが縁で、今回アニバーサリーロゴや30周年記念サイトの制作を担当させていただきました。

AMBIDEXが運用しているのは、20くらいのレディスブランド。
照井信三が設計したユニークな形をしたビルの存在は知っていましたが、仕事をするまで男子の自分は、AMBIDEXがどんなブランドを展開しているのか、あまり知りませんでした。(スミマセン!!)
しかしながら100以上の店舗を全国に展開しており、知っている女子は知っている。
bulle de savon、PAR ICI、chambre de charme、CHILD WOMANなど、うちの女子スタッフも展開しているブランドの中で1つくらいは知っていたようです。
オリジナリティある服作りが強みで、男子である自分がそれをどう表現したら適切かわからないですが、独特の世界観があって、他のブランドにはないユニークさがあるように見えます。
イベントでは湯村さんのイラストがキービジュアル。
周年記念イベントのコンセプトは、創業当時の80年代。
湯村輝彦さんを起用しているのもそのためです。
湯村さんを知っているのは、ある世代以上の人だけかなぁ。
自分にとっては懐かしいです。
オロナミンCのイラストやパルコの広告などで知られるイラストレーター。
80年代当時は、ヘタウマと呼ばれるイラストのブームが起きて、ちょっとした社会現象でした。
自分も高校~大学生の時には、湯村さんの絵をたくさん見ていましたねー。
奥さんも湯村タラというイラストレーターです。

話を戻しましょう。
AMBIDEXの30周年記念ロゴを依頼されたとき、まず最初に考えたコンセプトは社名の由来です。
AMBIDEXの語源は、「ambidexterous」で、「二面性のある」「両手がきく」「多面的」なという意味があるとのこと。
そこから発想して、いくつかのグループでロゴを考案しました。
その一部を少しだけ紹介しますね。
企業からデザインを請け負った会社が、いったいどのように提案しているのか、ほとんど人は目にしたことがないと思いますので、発想の仕方をちょっとだけここで紹介します。

Hands
まず1つめは社名の語源そのままですが、両手ですね。
手はモノづくりへのこだわりであり、アート、写真、ファッション、すべては手から生まれるということで両手をモチーフにしています。
自分で自分の手をスケッチした案もあります。
Alphabet
2つめはアルファベット。
社名の頭文字であるAはアルファベットの最初の文字であり、創業の原点という意味で。
アルファベットのフォルムから発想した案。
Geometric
これも社名の由来からですが、多面的、変化、自由。
1ピースの集合体、「1人1人がバラバラにつながっている」という企業コンセプトも表現しています。
様々な形に変化する幾何学的なモチーフの案。
Loop
創業から現在、そして未来へつながっていくこと、永遠に繰り返す革新・繁栄のサイクルを意図しています。
ループ・繰り返すというコンセプト。
これ以外にも提案しましたが、選ばれたのは、一番有機的なで丸い形をした両手のコンセプトでした。
企業のコンセプトである変化・自由を表現するために不定形のカタチをロゴを囲むように象徴的に加えています。
優しく女性らしいという理由で、社長に選んでいただきました。
いま全国の店舗には、このロゴマークのPOPが置かれています。
そして、どの店舗で購入されてもショッパーにはこのロゴのシールが貼ってありますので、見てみてくださいね。
最終的にはこの案に決定しました。ショップで是非見てください!
8月末にはラフォーレ原宿の最上階を貸し切ってのライブイベント、9月には本社ビル1階での催し物が開催されました。
僕たちもご招待いただきましたので、両方へ行ってきました。
清水ミチコさん、そして元ジャックス(!)の早川義男さんのライブが激しく、また楽しかったですね。
オンラインストアだけでなく、周年記念サイトも制作させていただきました。
30年経っても色あせないブランド。
偶然ですが、会社が同じ駅にあるという共通点、そしてちょうど創業から20周年を迎えた僕たちが10年先輩の会社を応援するプロジェクトに関わらせていただけたことは、とても嬉しいです。
この節目から、今後益々飛躍していただきたいです。
今後もさらなる発展をお祈りしています。
吉田社長、いろいろありがとうございました。
記念品がバカラのグラスなんて、太っ腹ですねぇ。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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