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渋谷の真ん中、フィットネスクラブのブランディング

仕事
Oct 12,2017

ここ数年、フィットネスの分野で新しいトレンドが次々生まれています。

以前スポーツジムに行くといえば、ムキムキマッチョになるとか健康維持のためでしたが、今は違って新しいファッションになっている感じですね。

都市生活者にとって、食と運動は"意識高い系"の欠かせないものになっているようです。

手掛けたのは渋谷のど真ん中にあるフィットネスクラブのブランディング。
美しいカラダを作ることへの欲求は、昔から女性に顕著だと思います。
でも今はムキムキではなく、中村アンやミランダ・カーのように適度に絞った筋肉質のカラダがカッコいい=ファッションの1つという概念が生まれているのじゃないでしょうか。
それはもちろん、結果にコミットするライザップの影響もあるでしょうけれど、ジムに行くのは単に痩せたいという欲求からだけではありません。(勿論それもあるでしょうけれど)
キャリア志向の女子にありがちな、一人でゴールドジムに来て、トレーニングしてサッサと帰るストイックなニーズから、色々な人とつながって私も楽しみたいというライトなイベント的ニーズまで。
フィットネスにエンターテイメントの要素が加わって、楽しみ方も多様化しています。
女子専用のトレーニング雑誌もここ数年で3、4冊増えました。
それまで一般的だった総合スポーツジムではなく、ブティッククラブと呼ばれる小規模で尖った女子専用フィットネススタジオが都内のあちこちにできてますよね。
健康への意識がますます高まっているように思います。
最初にエクササイズを牽引したのはヨガですが、今ではボクササイズ、トランポリン、ボルダリング、ポールダンスまで、色々なフィットネスが登場しています。
その中でも、アメリカからやってきたバイクエクササイズは、今特に流行してますよね。
バイクというのは自転車で、自転車を使ったエクササイズのこと。
暗闇の中でペダルをこぎながら、音楽に合わせて参加者全員がトレーナーの指示に従って動きを合わせて、歌ったり、参加者みんなで盛り上がる要素が含まれているエクササイズです。
先日このブログで、名古屋にできた駅直結の新しいビル、JR名古屋ゲートタワーの13、14階にオープンしたルネサンスの新しい施設について紹介しました。
うちの会社で、施設ネーミングからロゴ制作、インテリア設計、サイン、Webサイト、デジタルAD、販促ツールまで、ブランディング全体を手掛けた大型施設の事例です。
今回は、その実績が評価されて、ほぼ同時に手掛けたもう1つの施設を紹介しますね。
↓Coqul RENAISSANCEの記事はこちらから↓
https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2017/05/post-15.html
こちらが弊社で作ったロゴマークと施設名。
CYCLE&STUDIO R。
渋谷から徒歩1分という抜群のロケーションにオープンした新しいフィットネスクラブになります。
ここは前述のバイクを使ったフィットネスがメインの施設。
それも映画館のような巨大スクリーンに映し出された映像を見ながらバイクを漕ぐ、まるで本当に前に進んでいるような感覚でエクササイズを楽しめるVRサイクルスタジオがウリの施設です。
TRIPと呼ばれる、映像を使ったバイクのトレーニングプログラムは、日本初上陸。
その筋の人なら必ず知っている、世界70カ国およそ12,000のクラブにプログラムを提供しているレスミルズ社のトレーニングプログラムであり、その提携施設なのです。
映画館でスクリーンに向かって自転車を漕ぐようなイメージでしょうか
施設名称は、ルネサンスの社長が既に決めていたので、僕たちはロゴの制作からスタートしました。
最終的にビビッドな黄色と黒を使ったマークに決まり、インテリア含めツールはすべてこの色で統一して展開しています。
名古屋の時と同じように、ターゲット設定、ブランドバリューのコンセプト設計、ロゴ、スローガン、施設インテリア、ユニフォームデザイン、ノベルティ、リーフレット、交通広告、屋外サイン、そしてWebサイト構築、デジタルADまで、この施設も一気通貫で手掛けました。
毎回感じるのは、コンセプトを開発した会社が、顧客接点で必要なツールをトータルで手掛けた方が、ブレがないということ。
ブランドが強くなる。
今回もすべてのコンタクトポイントで必要なツールは、統一したビジュアル表現、同じテンションで制作をしています。
スローガンはバイクに「乗る」に掛けて、「RIDE THIS WAY」というセンテンスを考えました。
インテリアは名古屋の施設とコンセプトを変えて、金網を設置して荒削りでストイックなイメージを表現しています。
今回新規に開発したブランドスローガンです。
施設デザインではポイントに金網を使い、スローガンのネオンを設置しました。
ただ1点、名古屋と違って大変だったのは撮影でした。
今回もオーディションからモデルの選定、撮影まで手掛けていますが、撮影するときは難しかった。
暗闇の中で映像を見ながらバイクをこぐ施設なので、臨場感のあるビジュアルがよいとは思ったものの、当然撮影スタジオにはその演出機材はない。
施設も建築途中なので、施設内で撮影することはできない。
さてどうしよう。
スタジオ内を真っ黒の布で覆って暗闇にして、プロジェクターを持ち込み、モデルの身体に映像を映しながら、風をあてて撮影しました。
撮影した画像には、後の工程でデジタル合成も施しています。
これでスピード感が出て、映画「トロン」のような、未来的なイメージに仕上がりました。
すべてのツールのキーになるモデル撮影は大変でした。
大きな交通広告からSNSまでモデル写真をキーに展開しています。
またこの施設にはもう1つの特徴があって、バイクスタジオ以外にレスミルズ社の特徴的なプログラム、グループライブエクササイズの専用スタジオが併設されているということ。
3人のモデルを使ってそのシーンも撮影しましたが、こちらもなかなか大変でした。
中腰で重いバーベルを肩に乗せて静止した状態での撮影とか、太ももを高く上げるエクササイズのシーンとか、モデルの女子たちは辛かったと思います。
バーベル、ダンス、バイクと複数のカットを連続して撮影したので筋肉がプルプルしてしまってましたww。
でも頑張ってくれたおかげで、よい仕上がりになったと思います。
単一のツール制作とは異なり、こうしたブランド構築プロジェクトでの難しさは、設計したコンセプトに沿った表現とエレメントで多くのツールを一貫してコントロールすること。
ロゴをキーに、Webサイト、交通広告、リーフレット、施設インテリアまで、各メディア特性に合わせて誤差のないように調整する。
デザインマネジメントの重要性を改めて実感したプロジェクトでした。
特にモデル撮影がすべてのツールのキービジュアルになるため、非常に重要。
1つのビジュアルは駅貼りの大きなポスターから、手の中で扱うSNSの小さなメディアまで、多岐に渡って展開されます。
特にSNSのタイムライン上に表示される画像は、小さい面積でも魅力を放つイメージである必要がある。
今回は日本初上陸の他にない施設ということで、それが感じられるようなシーンを撮影することが難しかったですね。
予算と時間との闘いで、何度もカット数を見直して工夫しました。
東横線沿線や渋谷駅の交通広告、サインをトータルに制作。
リーフレットでも構成、コピー、デザインを一貫して担当。
スタジオが出来上がったあと、僕も日本初上陸のバイクエクササイズを体験してきました。
大型スクリーンに映し出される映像を見ながらペダルを漕ぐと、未来都市の中に自分がどんどん入り込んで進んでいくようで、今までにない未知の体験でした。
40分間こぎっぱなしなんですが、あっという間で半分くらいにしか感じなかったなあ。
またやってみたい。
お尻に効くそうですから、女子の皆さんにはオススメです。
ここにしかない価値、渋谷で是非体験してみてください。
↓制作したWebサイトはこちら↓
https://cycle-studio-r.jp/sr/

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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