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名前を覚えられないオフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー

香り
Apr 26,2018

昨年で惜しくも閉店してしまったパリのコレット。

ファッションだけでなく、デザインやアート関連グッズや雑貨まで、その幅広い編集力で人々を魅了し、一時代を築いたセレクトショップです。

多くのブランドショップが並ぶサントノレという場所も良かったのかもしれないですね。

他にないインテリア空間は体験する価値あり
僕も2年前、コレットに行きましたが、既にそんなに魅力的なものはなかった。
同じ時にコレットに代わる人気店、子供服のボンポアンの創業者が作ったメルシーにも行きましたが、そちらもあんまり。。
日本の編集センスの方が数段上だと感じましたね。
毎回言ってますが、日本のマーケティング力で世界に出店していけば、もっともっと認知されると思うのですが。

そのコレットでPRを務めていたヴィクトワールがコレットを辞めた後、旦那のアートディレクターと2人で日本に5店舗目として出店したお店。
(この人、確か日本のサザビーの社長の奥さんの妹??だと思います。)
それが昨年の今頃、代官山にオープンしたオフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーです。
何度聞いても、まったくブランド名を覚えられませんけどwww
サカナクションのベスト盤に初回限定でついている、平林奈緒美が手掛けたブックレット「魚大図鑑」の記事を書いていたら、ふとこのお店のカタログのことを思い出したのです。
こちらも紙でなければ表現できない独自のデザインになっています。
お店は住宅街に忽然と現れます。
このお店、場所がわかりにくい&決して便利ではないところに、突然あります。
代官山と恵比寿の中間くらいなんで、どちらから歩いても距離がそこそこあるし、周りは住宅街でショップはなく、近くにあるのは水野学の事務所くらい。
それなのに、インテリアがものすごく凝っていて、お金めっちゃかかってる。
本気でお金かかってます。
商品もかなりの高額。
銀座にあった方がいいんじゃね?なお店なのです。
または商業施設的なところ。
こんな辺鄙なとこにw、みんな買いに来るのかな?と疑問なのですが、意識高い系の女子の方々は、デパートでウィンドショッピングなんかせず、明確な目的を持って店へ一直線に来訪するから場所はどこでもいいのかな。
同じくオーガニック系ということで、ちょっとYAECA的な出店。
大理石に彫られている商品名のプレート。
フランスから運ばれてきた重厚な什器インテリア。
扱っているのはクリームやオイル、フレグランスなど、レディスメンズ問わずナチュラル系コスメの商品群。
ブランドは、フランス最古の美容薬局として1803年にパリで創業されたらしいのですが、サンタマリアノヴェッラのように、創業からずっとお店が存在していたわけではないので、掘り起こしてリブランディングしたと思われます。
東京サイドのモダンなインテリア。
同じ店とは思えない2種類のインテリア。
右側がパリ、左側が東京、というコンセプトです。
インテリアのコンセプトは、クラシックとコンテンポラリーの出会い。
そのまんまのコンセプトで、店の半分からインテリアが真っ二つに分かれているのが面白いです。
パリと東京っていうテーマもあるみたいですね。
船でパリから運んできたという木製の什器が重厚でカッコよい。
そしてもう1つのウリは、カリグラフィサービスです。
購入すると、商品に手書きで名前を書いてくれるのです。
ギフトなんかにはとってもいいと思います。
僕も去年スタッフの誕生日に、これをプレゼントしました。
お店のスタッフ全員がカリグラフの研修を受けているとのことで、その場で書いてくれます。
もちろん無料。
カリグラフのサービスをオーダーしてみました。
出来上がりはこんな感じ。ケイコさんへのギフト。
インテリア、プロダクト、商品パッケージ、サービスなど、どれを取ってもアートディレクターが店のオーナーというだけあってユニーク。
そして話は最初に戻って商品カタログのデザインです。
まるでザ図鑑。
こうした紙ならではのエレメントは、デジタルの反動でトレンドになっていると思います。
コスメならストイックでミニマル&コンテンポラリーなデザイン、と思われがちですが、あえて歴史を感じる専門書をメタファーに使っている。
ベースにあるのは活版ですね。
そう、実際に店はパリに存続してなかったのに、以前からずっとそこにあったようにデザインで演出しているのです。
19世紀のデザインとして。
まるで図鑑のような商品カタログ。
かなりマニアックな解説文。
以前は発信側に明確なデザイン戦略があると目立っていましたが、最近デザイン戦略が街にあふれてきて、逆に珍しさがなくなりつつあります。
ちょっとやそっとじゃ驚かない。
それだけ受け手側の人々の感度が上がっているということを意味しています。
日本において、それは顕著でしょう。
だから私たちはコレットを見ても、あまりワクワクしなくなってしまったのです。
みんなの共通感覚に訴えるデザイン戦略アプローチとはどんなものか?
それを仕事としている以上、日々常に勉強しないといけません。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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