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Cartier タンクアメリカンは、なぜ米国なのか?

ファッション
Feb 15,2019

洋服に限っては特にそうだと思うのですが、直感で欲しくなりますよね。

直感とは何か、僕にとってはデザインだけです。

機能とか、背景にあるウンチクが所有欲に結びつくということはあんまりないです。

スクエアフェイス。White gold。カレンダー機能付き
しかし車などのメカ物となると、そうじゃないという人もたくさんいるでしょう。
マシンの性能とか、メーカーや生産国などが、購入後の使用感やメンテナンスに大きく関わるからだと思います。
もちろん燃費や経済性もそうでしょう。
僕はカーマニアでも何でもないので、そうしたことで選ぶことはありません。
というかデザインしかわからないので、その尺度しか持ち合わせていないのです・・・・
(好きなデザインも偏っているのだと思いますが、、、)
今までサーブ900ターボ、メルセデス500SL、ダイムラーダブルシックス、レンジローバーヴォーグなど、車もすべてデザインだけで選んできました。
デザインでよいと感じるもの、インスピレーションの直感だけでよいと思うモノは、必ず背景にウンチクもあるものです(自分の経験上では)
逆に言うと、完成度の高いものはウンチクを学ぶまでもなく、多くの場合デザインも優れているものです。
アメリカンってことでBlue noteのレコードと一緒に
このセオリーは時計でも同様だと思います。
僕は車と同様に、時計マニアでも何でもないので、専門的な知識はまったく持ち合わせていません。
機械式とか、そのブランドの歴史とか、時計が持つストーリーとか、そういったウンチクはほとんど知りません。
一見、そういうことに物凄くこだわる人に見えるらしいのですが、全然そんなことはないのです・・・汗
ポルシェが採用した水冷式エンジンの最終モデルの96年式が、、というようなウンチクとはまったく無縁なのです。
ポルシェに乗る人の嗜好性なら多少はわかりますが。笑
何度かベルトを替えてますが、これはグレーのクロコの時
しかし20年も使っていると傷だらけですね・・・・
20 年くらい前に、見ていて欲しくなった時計がありました。
カルティエのタンクアメリカンです。
何が気に入ったかと言えば、スクエアなフェイスとデザインに込められた気品みたいなものでした。
でもカルティエのブランドヒストリーも、製品になぜアメリカの国名がついているのかも知りませんでした。
(製品名となっている国名は、イギリス、アメリカなど、カルティエの3人の息子たちがそれぞれにまかされて出店した場所に由来しているのです)
好きになったのはデザインだけです。
当時時計では、フランクミューラーが飛ぶ鳥を落とす勢いで流行ってました。
しかし、デザインを見てもまったくピンと来なかった。
僕の中では、フランクミューラーをしている人は、ポルシェに乗ってる人と同じカテゴリー。
2つに共通するイメージは、イケてるオレを演出みたいな、「イケてる=センスよりも経済価値」「身に着けた経済力を見せるための持ち物=自分大好きオレ様系」みたいな、勝手なイメージです 笑(持ってる人、ゴメンナサイ・・・)
その次に来たパネライも、若干そっち寄りの気がしてました。

ウンチク的にタンクアメリカンを知るには、タンクのシリーズを知る必要があります。
1921年にタンクサントレはタンクの最初のバリエーションモデルとして誕生。
タンクサントレは今日のタンクアメリカンの原型です。
イヴ・モンタン、アンディ・ウォーホール、イヴ・サンローランなどがこの時計を愛用しました。
カルティエの創業は1899年のパリ。
でもそんな背景のウンチクを知らなくても、デザインだけで十分に素敵な時計だと思います。
ベルトをクロコのエメラルドグリーンにしてみました。
ベルトを替えるだけでイメージ一新
弱点があるとすれば、ベルトの交換でしょうかね。
レザーのベルトは2,3年で劣化するので、交換のためにその都度ショップへ行かなければなりません。
僕のように持ってる時計が少ない人は、つける頻度が高いために革の劣化も速いのです。
交換の度にレザー素材や色を選べるのは楽しい作業ではありますが、ランニングコストを考えるとあまりよいとは言えません。
そして注文後、フランスからレザーが到着するまで、以前は3ヵ月、今では6ヶ月以上も待たされます。
その間に季節は移り変わり、気分やトレンドも移り変わってしまうのです(夏に明るい色のベルトをしようと思ったら、冬にはオーダーしなければ届かない)。
でもカルティエのベルトって実は、同じ革製品を扱うフランスのブランド、カミーユ・フォルネが作っているので、カルティエの名前の刻印がなくてもOKなら、そっちで注文したほうがずっと早く到着します。
これはカルティエの時計をしている人なら、誰もが知っていることなのですけど。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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