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名刺から企業ブランディングを

仕事
Dec 06,2019

通常業務で、企業の名刺のデザインを依頼されることも多くあります。

上場企業をはじめ、様々な業種の企業の名刺をデザインしてきました。

今年、年号が変わったこともあって、うちの会社でも名刺のデザインを変更することに。

かなり凝ったものを作ったので、少し紹介しますね。

複数の加工を組み合わせて作りました。

ロゴマークを今回若干変更しています
まず、1番の特徴は小口(紙の断裁面)に黒の箔押し加工をしていることです。
断裁面の側面に、箔の加工を施すことを印刷の専門用語では天金加工といいます。
名刺の四方の断面にすべて箔がついているので、見た時にインパクトがあります。
これにより、名刺を複数重ねた時には、横の面が真っ黒に光って見えるわけです。
相手に渡した時に、1枚でも天金加工の効果が伝わるように、結構厚いクッション紙系の紙を選んで作りました。
コースターかっていうくらいの厚さです。
数枚重ねると、黒く輝く断裁面の加工がよくわかります。
次の特徴は、両面箔押しです。
箔押し加工とは、印刷した部分が輝く加工のこと。
色は選べますが、今回の名刺は名前も住所もすべて箔押し加工にしたので、黒の箔押しを採用しています。
オモテ面が会社のロゴ、裏面が住所や名前、どちらも黒の箔押しで印刷しました。
1枚1枚、上からプレスして印刷するので、印刷した部分が凹むのも特徴です。
その凹んだ底の部分が、輝いて見えるわけです。
小口を目立たせるために厚い紙を選んだので、かなり凹ませても裏面に影響がありません。
凹み具合が写真だとあまり伝わらないですね
3つ目の特徴は、やはりデザイン。
名刺は横型なのに、縦組みのデザインです。
以前もこのデザインで名刺を作ったことがありましたが、評判がよかったのでもう1度復活させました。
フォントや細部については、以前のデザインとは若干変更しています。
それにより、前のよりカッコよくなりました。
クリエイティブの会社なので、シンプル、レトロ&モダンがコンセプト
しかしながらデメリットもありますw
まず、紙の厚さが結構あるので、名刺入れに少ない枚数しか入らないこと。
そして、すぐなくなってしまう。
これが最大のデメリットですね。

次に高い!!
天金加工と箔押しにより、単価がそこそこ高くなってしまいました。
1枚1枚加工するので手間がかかり、完成までに結構な時間がかかります。
そして、増刷ができない!!!笑
特別な加工をしているので、版を流用ということができず、次もゼロから同じ金額がかかるのです。
でも、ブランディングを語る会社なら、そこはこだわるべきところだと思ってます。
うちの会社は、まったく営業をしていないのだから、名刺は営業を担うツールだと考えるべきでしょう。
存在感のある名刺を目指しました
ちなみにコーポレートカラーで作ったグレーもあります。
こうやってこだわってお金をかけて作ったとして、いったい何人のクライアントに気が付いてもらえるでしょう?
そんなとこに金掛けないで、もっと営業したら?と思われる人も多いと思います。
でもですね、こういうことにこだわっている会社だということが、自分たちのアイデンティティだと思ってます。
それが我々の考え方であり、企業が伝えたいメッセージでもあるからです。
名刺を渡した時に、このこだわりに気が付いてコメントもらえると嬉しいです。
1人でも多くの人に気が付いてもらえたら、そしてクリエイティブを生業にしているなら、そこが重要だと気が付いてくれるクライアントと一緒によい仕事ができたらいいなぁと思っています。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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