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60年代カルチャー満載の英国映画

映画
Oct 06,2023

秋ですよ、秋と言えば、芸術の秋ですよ!!

やっと、よい気候になってきましたね。

秋は1年の中で、僕が一番好き好きな季節。

オシャレもできるし、街を歩くのが楽しくなりますよねー。

早くWoolのセーターを着たいなぁ。

オープニングのタイトルロールもカッコいい
今、東京現代美術館で開催されている「デイヴィッド・ホックニー展」には行きましたか?
行ってない方は11/5までやってますから、是非行って見てください。
おススメの展覧会です。
https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2023/09/post-153.html

そして、ちょっと前まで開かれていたソール・ライター展。
こちらもとてもよい展示でした。
https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2023/08/post-151.html

ホックニーとライター、この2つの展示を見て思うことは、1960年代のアートシーンですね。
アメリカより早くにポップアート運動が始まった60年代のロンドンで、現代美術家として活動を始めたホックニー。
そして、海を渡ったニューヨークで、フォトグラファーとして、ホックニーと同じく第一歩を踏み出したライター。
国は違えど、2つに共通するのは、それまでの表現を越えようとする60年代の新しい試みです。
1960年代の時代性、その時代特有のカルチャーや雰囲気を知りたくなりました。
ポスターもデザインも有名。サブカルです。
ホックニーが活躍した60年代のロンドン、そしてNYでライターが模索した写真表現。
2つの展覧会を見たあと、「BLOW UP」をもう1度見たくなったんです。
有名な映画なので、知ってる人も多いでしょう。
オースティン・パワーズも一瞬アタマをよぎりましたが、やっぱりリアルな60年代カルチャーの映画を見たい。
オースティン・パワーズの映像には、「BLOW UP」からの引用もあるしね。
見るならオリジナルを見なきゃ。
「BLOW UP」の制作は1967年。
イギリス、アメリカ、イタリア、3か国の合作で、1967年のカンヌ国際映画祭にてパルム・ドールを受賞しています。
ロールスロイスを無造作に乗り回す主人公
「BLOW UP」の邦題は「欲望」。
欲望っていうタイトルとポスターのイメージから、性的なことを連想させますが、テ―マはそこではありません。
ですので、この邦題はあまりピンときませんね。。
「BLOW UP」は、英語で「引き伸ばす」「拡大する」という意味です。
んー、色とアングルがお洒落すぎます。
主人公がフォトグラファーというのがミソです。
主人公は、ロンドンで活動する有名な若いフォトグラファー。
彼は、ある日偶然公園で見かけたカップルの様子を盗撮する。
女子の方がそれに気づき、撮影したフィルムを返して欲しいと彼のスタジオまでやってきます。
その女子には偽物を渡し、彼女が帰ったあとに本物のフィルムを現像してみると何かが写り込んでいる、
その部分を拡大して引き伸ばしてみると、カップルの背景に、殺人の現場らしきものが写し出され、、、、というストーリー展開。
これはサスペンス?
いえいえ、この映画は完全にカルチャー映画なのです。
サスペンスな要素もありますが、主題は当時の若者たちの持つ不条理で空虚な世界観。
その世界観を表現するために、音楽、アート、ファッションなど、60年代のSWINGING LONDONの最先端ユースカルチャーが次々出て来ます。
ハモンドオルガンによる、ハービーハンコックのオープニングテーマからして、もうカルチャーバリバリです。
んー、、、たまりません。。
主人公のスタジオでの、シビれるシーン。
劇中の映像も、カッコいいシーンの連続です。
無線付のロールスロイスのオープンカーで(ちょーカッコいい)、街をドライブする若き著名なカメラマン。
そのカメラマンに撮影してもらいたくて、彼のスタジオにやって来る美しいモデルたち。
夜のナイトクラブに集まるモッズの若者。
金持ちの家で開かれる若者たちの大麻パーティ。
60年代の雰囲気がビッシビッシ伝わってきます
主人公のフォトスタジオの隣には、同じく若き現代美術の画家が住んでいる。
このあたりのくだりが、ライターとホックニーの展示とつながって、この映画を思い出した理由でした。
ちなみに、カメラマンのスタジオが劇中に何度も出て来ますが、このスタジオは当時活躍していた実在のロンドンのファッションカメラマンのスタジオで撮影されています(次回それも紹介しますね)
めちゃ可愛いジェーンバーキン(中央)。
それ以外の部分でも、人に話したくなるサブカルな要素は尽きません。
先日惜しまれながら亡くなってしまった、永遠のアイドル、若いジェーンバーキンも出演してます。
まだ渡仏前、イギリス人女優だった頃のバーキン。
めちゃ可愛いです。
そしてナイトクラブで「Train Kept A Rollin'」を演奏する若きヤードバーズ。
まだ少年のようなジミー・ペイジ、そしてこちらも惜しくも先日亡くなってしまったジェフ・ベック。
この2名が同時に、ヤードバーズに在籍した期間は短いので貴重な映像ですね。
ジェフ・ベックは演奏中に、ギターを床に叩きつけて壊すシーンを演じています。
そもそもこのシーンは、ギターを壊すことで有名なThe Whoのピート・タウンゼントが演じる予定だったらしいんですが、出演を断わられたそうです。
で、その代わりにベックがギターを壊しているというわけです。
ツェッペリンのギタリストとして知られる若いジミー・ぺイジ
このあとギターを壊すジェフ・ベック
街の喧騒も、目の前に現れる煌びやかなモデルたちも、ファッションも音楽も、ライブハウスの熱狂も、自分の目に映る華やかな世界=表層とは対極に、中身は虚構=空っぽというようなテーマが描かれています。
これは映画「さらば青春の光」にも出てくる同じテーマですよね
だから主人公はカメラマンなんだということに、最後の方で気がつきます。
もしかするとカメラマンの主人公がレンズを通して見る華やかな世界も、殺人事件の情景も、もしかすると幻想なのではないだろうか?
見る側に考えさせるエンドシーンで映画は終わります。

いや、それにしても出てくるカルチャーに気を取られ過ぎて、本題が見えないだろ!
そんな本題はよくわからなくても、華やかな60年代のカルチャーを学ぶだけでもこの映画を見る価値は十分にあります。
カルチャー満載、すべてがカッコいい映像。
60年代に活躍したホックニーを、ライターを見た人は、是非機会あったら見て欲しい映像です。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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