談話室松本をリニューアルしました。
これまでの談話室松本はこちらからチェックできます

  1. top
  2. ファッション
  3. もう1度行きたいと思う理由は何か?

もう1度行きたいと思う理由は何か?

ファッション
Nov 30,2023

以前会社の前に自転車を置いておいたら盗まれたんですよね。

もちろん鍵をかけてなかった自分も悪いんですが、自社ビルの敷地内でまさか自分の自転車が盗まれるとは。。。

ビルは駅から30秒のロケーションにあって、人通りも多いのに、しかも敷地内で盗まれるとはひどい話ですよ。

参宮橋に今年の夏に現れた名所的な存在
ある日警察から電話がかかってきて、オタクの自転車が渋谷で違法駐車されてたので撤去したと。
放置自転車なので、期日までに取りに来ないと廃棄するという内容でした。
いや、不法もなにも、こっちは盗まれたんだけど!!
放置自転車、違法駐車の自転車が集められていたのは、参宮橋の高速道路の高架下でした。
何百台もあったけど、きっとトラックで回収されて運ばれてきたんでしょう。
周りには何にもなくて、金網で囲われた敷地内に自転車が大量に集められているだけ。

あれから10年経ちました。
今回紹介するのは、いま東京でアツい話題の複合施設です。
オープンしたのは、今年の暑い夏、確か7月くらいでした。
オープンしてから1ヵ月くらい経ってから現地を訪問。
入ったら早速アナログレコードとコーヒースタンド。
1階はアナログレコードと音楽グッズを扱うvector shop
商品を展示している什器はやはり、ディーター・ラムズ。
1階は音楽をテーマにアナログレコードとプロダクトを扱うvector shop。
その奥には京都の美味しい蕎麦が食べられて、お酒が呑める「寄(よせ)」。
2階はThomas masonのシャツがオーダーできるアパレルブランドのgraphpaper。
そして日本初の出店となるコペンハーゲンの香りのブランドFrama。
そう、graphpaperが入っているということは、、、、
南貴之が自身でプロデュースする新しい複合施設なのです。
言ってみれば、彼が以前手掛けたHIBIYA CENTRAL MARCKETの小さい版。
食、衣、住を組み合わせたコンセプトは、ほぼ日比谷ミッドタウンの施設と同じです。
日比谷にあってここにないのは本屋くらい。
その奥には美味しい蕎麦が食べられる「寄」。
でもいいです。
センスを感じますね。
1階の食と音楽の組み合わせももちろんいいのですが、僕が一番いいなと思ったのは、2階のインテリアです。
ここ、古いビルをリノベーションしたもので、以前はパソコンとか冷蔵庫が置いてある大きなリサイクルショップでした。
ビルの古さ加減もいいんです。
2階にはあちこちに家具が置いてあるんですが、この家具、なんとすべて内田繁のデザインと聞いて、シビれましたねー。
全点オーダー可能とのこと。
80年代のカルチャー好きならきっと知っているはずです。
代表作は、山本耀司のブティック、福岡のホテル「イル・パラッツオ」の家具などなど。
特にアルド・ロッシや倉俣史朗、グラフィックからは田中一光が参加した伝説のデザインホテル「イル・パラッツォ」は彼の名前を世に知らしめました。
今は既に亡くなられています。
2階にはコペンハーゲン発の香りの店Frama
2階のインテリアはすべて内田繁デザインのプロダクツ。
そんな内田繁の家具をここでオーダーできるなんて。。
マニアにはたまらないでしょう。
こういうプロジェクトを持ってくるところに南貴之のセンスを感じます。
自身のブランドgraphpaperの服にはそんなに強く感じませんが(失礼!)、京都の蕎麦とコペンハーゲンのFrama(出店前から知ってましたがサイトがキレイ)、そこにポストモダンの内田繁を組み合わせる編集感に鋭いセンスを感じます。
また1階にある寄(よせ)のロゴやグラフィックにもセンスを感じますね。
マニアックかもしれないけど、このあたりのブランディングは見逃せません。
暖簾やユニフォーム、ビールの缶も要チェックです。
自身のブランドgraphpaperの店舗は服が見えない黒い什器で構成。
あ、盗まれた自転車と何が関係あるのかって?
通りを挟んで、この洒落たリノベの複合施設の前にあったのが、不法投棄の自転車集積場だったんですよ。
久しぶりに行ってみたら、それもなくなって新しい店ができてました。
ブロンクスな金網もなくなってたww
このあたりってアツいのでしょうか?
参宮橋というマイナーな駅だし、新宿から歩くには遠いし、ロケーション的にはかなり行きにくい場所です。
最寄りの参宮橋駅からも歩いて10分はかかるでしょう。

しかし、代々木公園方面にちょっと歩けば、新しくできたフランスの、これまた今アツい!ジャン・ヌレの家具のショールームがあったり。
同じ通り沿いにはアデランスの本社もありますが笑、このあたり流行ってきているのかなぁ。
入口は割と地味で、その施設だとわからない
でも勝負は、オープンして一回りしたあとでしょう。
夏には道路まで人が溢れて、夜みんな立ち呑みしてました。
ここから冬、そして来年、感度の高い人たちが一回りしたあとに、この不便な場所にどのくらいの人を引き寄せられるか?
HIBIYA CENTRAL MARCKETは商業施設への出店だから、集客は館がやってくれたけど、これからこのちょっと不便な場所での店が、どのように変化していくのか見ていきたいです。
編集で、どこまで魅力を牽引できるか。
僕は、今のところ、また行って蕎麦を食べたいとは思ってます。

SHARE THIS STORY

Recent Entry

松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
    青山ブックセンター