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80年代のリバイバルはここにも

クリエーター
Nov 16,2023

ちょっと前になりますが、天王洲にあるMAKI Galleryへユージーンスタジオの作品を見に行った際に、そこにジョナスルームがあることを知りました。

調べたところ、MAKI Galleryが彼のシリーズ作品を購入して展示しているとのこと。

作品集も発売していました。

https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2023/08/post-152.html

手描きによる平面的表現が特徴です
ジョナス・ウッドは1977年生まれで、LA在住のアメリカ人。
器や植物など、主に室内のインテリア空間を描くアーティスト。
この作家について、それまで知らなかったけれど、見てファンになりました。
尖った現代美術としてのユージーンスタジオも興味深かったけれど、それとはまったく異なるアプローチで、ジョナス・ウッドは身近な、極めて私的な世界を描く作家であり、その作品は自分の生活空間に所有したくなる魅力を放ってます。
単純化された色面のコンポジションは版画のように見えます。
MAKI Galleryにあるジョナスルームには、彼の代表作シリーズ「Tennis Courts」から24枚のドローイングや、テニスやバスケットボールをモチーフにした壁紙が常設展示されています。
男女2つのトイレもインスタレーションとして展示されているのが面白い。
ユージーンスタジオの展示とジョナスルームはつながっていたので、まったく別の世界の対比ができて面白かった。
彼はこのTennis Courtsのシリーズをテレビのモニターを見て(それを写真に撮影して)描いたようです。
だから、Tennis Courtsというシリーズ名がついていても、やっぱり彼の日常生活の中の私的な風景の一部を切り取ったものであり、インドアの要素、彼の目線のフィルタを感じます。
現代美術は外へ向けてメッセージを、時に社会的な問題提起をするものですが、彼の作品はそれとは逆でファインアートのように内側に向かうもの、彼の生活する個人的なパーソナリティを感じさせるもので、そこに親近感を感じている自分がいることに気づきます。
私的だから、面白い。
自分の好きなものを好きなように描いているようで、見る人を考えさせたり、意図的にコントロールしようとはしていない。
強いコントラスト、ポップでビビッドな色。
表現は極めて平面的で、奥行きはありません。
装飾的で、線と面のみで構成されている。
イラストレーションにも近い。
この点も自分が共感できる要素なのかもしれないです。
そう、80年代に自分が見てきた表現に近い要素がある。
先日見たディヴィッド・ホックニーの作品にも似ています。
これはアートの世界だけではなく、80~90年代にリンクしている今の時代の気分、現在のカルチャーシーンともきっと関係があるでしょう。
時々見える文字のタイポが可愛いですね
MAKI Galleryで販売されていた画集は、テニスコートのシリーズ作品だけの掲載だったんで買いませんでしたけれど、やっぱり気になる作家なので他の作品集を買おうと思って探してみました。
そしたら日本では他には1冊も出てないんですね。。
これは残念です。
アマゾンでインポートの作品集が売られているのを発見しましたが、めっちゃ高い・・・・
数万円します。(5万くらいだったかな、、、)
中身も見られないし、それはちょっとねぇ
MAKI Galleryで売ってる作品集を買えばよかったなぁと後悔しています。
テニスボールの壁紙パターンはとても可愛い。
トイレは使用禁止でしたけど、このまま残して欲しい。
バスケットボールのトイレも良かった。
ジョナス・ウッドはルイヴィトンのスカーフのデザインもしているようで、その理由もわかるような気がします。
作品集よりそっち買った方が安いかも 笑
私的空間をモチーフにした平面的な表現。
そう、80年代後半にこのタッチの日本人作家もいたんですが。
自分も80年代に好きだったイラストレーターがいて、その人の絵もインテリアがメインのモチーフで、よくモンステラが出てきたんですが、どうしても名前が思い出せません。。。
今よく言われている、わたせせいぞうや鈴木英人のようないわゆる80年代CITY POPテイストではなく、もっと色鉛筆や絵の具のアナログ表現でインテリアを描く、ジョナス・ウッドに近い人がいたんだけどなぁ。
当時は、広告などに起用されててそこそこ知られてました(一般よりプロの間で)。
どうしても名前が出て来ません。。。

メンズで、、、、
うーん、、、思い出したらまた知らせますね。
ジョナスルーム、もしお時間あれば是非。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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