談話室松本をリニューアルしました。
これまでの談話室松本はこちらからチェックできます

  1. top
  2. 音楽
  3. 美大の青春ガレージロックの1ページ

美大の青春ガレージロックの1ページ

音楽
May 19,2020

コロナにより、家で過ごしている人たちが多い中、SNS上でみんながやっているブックカバーチャレンジ。

そのバトンが自分にも回ってきたので、毎日7日間続けて、記憶に残る本をせっせとアップしていました。

本棚から本を探して写真を撮影している最中に、大学の同級生から今度は10日間のレコードジャケットチャレンジのバトンが回ってきて、、、そんな色々同時にはできないよ~と。

ということで、今回はこの記事で勘弁してもらおうと思ってます。

今から30年以上前に買ったレコード
バトンは、美術大学で同じ時期にバンドをやっていた関根くんから。
当時彼がやっていたのはパンクで、最初はセックスピストルズのカバーバンドのボーカル(確か非常階段っていうバンド名だったはず、非常階段オリローだっけな?)
そのあと、クランプス(これまたアメリカの変態カルトバンド)のカバーをやってた別のバンドでドラムを叩いてましたね。
僕がリリーフランキーとバンドをやっていた同じ時期でしたから、時々一緒に飲みに行ったものです。
卒業してから1度も会ってないけど、元気なのかなぁ。
映画関係の仕事に就いて、今もバリバリ活躍しているみたいだけど会いたいものです。
僕も知ってる同級生の奥さんは、有名な漫画家の娘さんでしたね。
ミルクシェイクス周辺のガレージのアルバムはほとんど持ってます
以前、このブログで東京多摩地区は音楽カルチャー震源地というテーマで5回続けて書きました。
しかし、話がマニアック過ぎてほんとんどの人がわからず、、
最後の記事にアップしたリリーフランキーの22歳の時の動画だけが話題にw
当時自分は、リリーフランキーとコミックバンドみたいなことをやってましたが、それだけでなく同時に他のバンドもやりながら色々な音楽を聴いていました。
メインストリームに対してアンチを唱えることこそが、自分たちのアイデンティティだ!みたいな時代。
美大の女子がJJを筆頭とするチャラい雑誌は一切読まず(当時JJはバカ売れ)、anan、Olive、流行通信だけしか手に取らなかったのと同じように、
流行っていたタッキーニやラルフローレンのポロシャツを馬鹿にして、ギャルソンやDCブランド、古着を着ることで自分を鼓舞し、
音楽も同じように、BEST HIT USAに出てくるアメリカのメジャー音楽はスルーで、イギリスのNEW WAVE、インディーズにしか興味がなかった。
カルチャーだけを追い求めていたのでした。
アートスクールで結成されたバンドなので、ジャケットのデザインも自分たち
パンクをやってた関根くんからのバトンなので、せっかくだから共有していたあの頃の気分を紹介しましょうね。
マニアックなので、また誰にもわからないと思いますけれど・・・w
当時ヒットしていたホール&オーツやエア・サプライ、ヴァン・ヘイレンをよそ目に、僕らを熱くしていたのはパンク、モッズ、パブロック、マージービート、NEW WAVE、ネオアコなどの英国のサブカルな音楽。
普通大学の人は、ヴァン・ヘイレン聞いて、ポロシャツの襟立てて、渋谷でパー券(パーティ券のこと=ディスコ貸し切りで開く合コンみたいなサークルイベント)を売ってるダサい人たちみたいな意識を、当時の美大生の多くが持っていたと思います。
(今考えれば、対象をディスることで自分たちのアイデンティティを確保しようとするダサい行動ですが)
そう、美大生の間では、美大以外の人のことを必ず「普通大学の人」と呼ぶルールがありました。
そんなインディペンデントな美大生の間で、パンクを聞くことはある意味フォーマットであり、マストな通り道。
マストなので、もちろん僕も通りましたよ。
パンクはデビュー戦です。
当時めちゃカッコいいと感じてジャケ見て即買いしました
裏もめちゃカッコよい!彼らが来日した時にもらったサインが見える
デビュー戦のあと、大学2年生の時にThe Milkshakesというバンドを知りました。
最初に見たのは、吉祥寺駅の井の頭公園側の出口から出てすぐ前のビルの2階にあったレコード屋。(今はもうないです)
ジャケットを見て、60年代のキンクスみたいなバンドだということはわかりました。
しかしそれ以外に情報はなく、あまりにジャケットがカッコいいので、音も聞かずにジャケ買いしたのが最初です。
グレッチのギター、VOXのヴィンテージアンプ、モノクロの写真、デザインに使われているフォント、ステレオではなくモノラル録音ということからも、60年代の香りがブンブンしていて、商業主義に仕立てあげられる前のハンブルグ時代の粗削りなビートルズを彷彿とさせる雰囲気がありました。
家に帰って早速聞いてみたら、ジャケットまんまの音で、1発録り、超ローファイ、演奏は下手クソ、B級w
ジョン・リー・フッカーとボー・ディドリーに、ビートルズとキンクスを加えてクラッシュで割ったような音です。
そしてなんと言っても一番驚いたのは、60年代のバンドではなく、今活動しているバンドだったということ。(あとで知りました!)
60年代の売れないバンドを狙って作っている音とデザインだった。
ただならぬセンスを感じましたね。
特定ジャンルの膨大なレコードを聴いてなければ、このアプローチはできない。
ある一定の人にしか響かないけど、これをセンスというのだと思います。
タランティーノの映画から商業的要素を抜いたって言ったら言い過ぎかもですが、過去のオマージュと今のフィルタを通した編集力、自分にとってはそこがたまらない魅力でした。
デルモナスとヘッドコーティーズはMILKSHAKESによるガールズガレージ
気に入ったので、ガレージのバンドをやってる友達たちにこのバンドのことを話したのですが、誰も知らない。
本国ではNMEに出たりして、ある程度知られているようだったけど、自分の周りは誰も知らなかった。
そこからミッシェルガンエレファントによって日本に紹介され、東京でライブを行うようになるまで5年間、レコードを買い続けました。
何を買っても金太郎飴のようで毎回同じ、
本人たちにメジャーで売れようなんて気がまったくないw
まぁそれこそがガレージの特徴なんですけど。。
ちなみにガレージというジャンルは、イギリスのバンドに影響を受け60年代中頃に活動したアメリカのバンドのこと
70年代に誕生するパンク、90年代のグランジに影響を与えたジャンルです。
ミルクシェイクスには、偶然自分で見つけたという宝探しのような出会いの体験、音楽そのものを聴くというより編集のコンセプトを楽しむという、取っておきたくなる雑誌のような体験がそこにありました。
他では手に入らない、マニアックなラインナップを集めて販売する新宿レコードやUKエジソンに毎週のように通ったものです。(まだあるのだろうか)
あまりに好きなのでTシャツも着ています!
トラッシュ(ゴミ)というガレージパンクのジャンルだけど、彼らを通して知ったこともあります。
60年代のガレージシーンのギターヒーローであるリンク・レイ、ボー・ディドリー、ディック・デイルの名曲の数々。
フランク・シナトラ主演、1955年の公開映画「黄金の腕を持つ男」のデザインを担当したソウルバスの素晴らしいアートワーク。
The Milkshakesを率いたビリー・チャイルディッシュは、その後Thee Mighty Caesars、Thee Headcoats、そして女子だけの60年代ガレージバンドのDELMONAS、Thee Headcoateesで活躍。
(ちなみにバンド名の前についているTheeをミッシェルガンエレファントが拝借)
現在は現代美術のアーティストとして活動しています。
8年くらい前に、日本のファッション誌HUGEが、表紙から丸ごと1冊彼のアート特集を組んでいたのを見つけた時は、本当に本当にびっくりしました。
http://blog.10-1000.jp/cat31/000763.html

インディーズのミュージシャンが後に、賞も受賞する国際的な現代美術家に。
やはり彼のセンスはただものではなかったということを証明してます。
余談だけど、4年前にロンドンに行った時、タクシーの運転手と雑談で盛り上がったことがありました。
運転手の彼は、昔ファッションの仕事をしている時に、ジョージコックスの納品のため毎年東京を訪れていたという。
当時のロンドンのガレージやサイコビリーのシーンについて詳しかった。
そしてThe Milkshakesのこと、今のビリー・チャイルディッシュのアーティストとしての活動についても知っていて、彼はクレバーだと言っていました。
何だか嬉しくなって、空港でチップをはずんでしまった。
左が黄金の腕のサウンドトラック、右がミルクシェイクスのレコード
ということで、今回は誰も知らないThe Milkshakesというバンドのレコードコレクション。
他にもアナログレコードはたくさん持っているけど、Thee Headcoatsやクランプスのレコートジャケットをアップしていた関根くんのバトンを拾って、同じ空気を吸っていた当時の気分を再確認するために、同じジャンルからマニアックな青春のラインナップの一部を選んでみました。


東京多摩地区はカルチャー震源地1の記事はこちらから↓↓
https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2017/03/post-7.html

東京多摩地区はカルチャー震源地2の記事はこちらから↓↓
https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2017/11/2-4.html

東京多摩地区はカルチャー震源地3の記事はこちらから↓↓
https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2018/12/3-1.html

東京多摩地区はカルチャー震源地4の記事はこちらから↓↓
https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2018/12/4.html

万引き家族と美術大学の記事はこちらから↓
https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2019/04/post-59.html

SHARE THIS STORY

Recent Entry

松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
    青山ブックセンター